研究課題
本年度は新たに腫瘍血管の内皮細胞や脳腫瘍で過剰発現が認められるαVβ3およびαVβ5インテグリンに対して特異的に結合する環状RGDペプチド(cRGD)をリガンド分子として搭載したエピルビシン内包ミセルを開発した。具体的にはcRGDをポリエチレングリコール(PEG)の末端へ導入したPEG-ポリグルタミン酸を合成し、そのグルタミン酸側鎖に対してpH応答性の結合を介してエピルビシンを導入した。得られたブロックポリマーは水中に於いて自己組織化し、粒径が30nmの高分子ミセルとなることが確認された。また、同cRGD導入ミセルは、ヒトGlioblastoma U87MG細胞に対して有効な細胞毒性を示した。U87MG細胞を皮下移植したマウスを用いて腫瘍の増殖抑制試験を行った結果、cRGD導入ミセルは特段の副作用を示すことなく、腫瘍の成長を抑制することが確認された。さらに、同所移植モデルに対しても優れた抗がん活性を示すことが確認された。
すべて 2014 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)
ACS Nano
巻: 8 ページ: 6724-6738
DOI: 10.1021/nn500498t
Journal of Controlled Release
巻: 188 ページ: 67-77
DOI: 10.1016/j.jconrel.2014.05.048
巻: 189 ページ: 1-10
DOI: 10.1016/j.jconrel.2014.06.018
巻: 8 ページ: 11591-11602
DOI: 10.1021/nn504836s
Biomaterials
巻: 35 ページ: 7887-7895
DOI: 10.1016/j.biomaterials.2014.05.041
巻: 39 ページ: 23-30
DOI: 10.1016/j.biomaterials.2014.10.069
http://www.bmw.t.u-tokyo.ac.jp/