腫瘍血管の内皮細胞や脳腫瘍で過剰発現が認められるインテグリンに対して特異的に結合する環状RGD(cRGD)をリガンド分子として搭載した薬剤内包ミセルを開発した。得られたcRGD導入ミセルは、U87MG細胞の皮下移植ならびに同所移植モデルに対して優れた抗がん活性を示すことが確認された。cRGD導入ミセルのがん集積メカニズムをin vivo共焦点顕微鏡を利用して評価した結果、cRGD導入ミセルは速やかにがん組織へと移行することが観察された。このようなリガンド分子の導入による速やかながん組織への移行は、トランスサイトーシスによる能動的な薬剤デリバリーの結果であると考えられる。
|