研究課題/領域番号 |
24659590
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
二宮 善文 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70126241)
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研究分担者 |
豊岡 伸一 岡山大学, 大学病院, 講師 (30397880)
大橋 俊孝 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50194262)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 外科 / 発現制御 / 細胞・組織 |
研究概要 |
まずリポソームと実験系の準備として、アクティブターゲティング化のために必要となる抗体の確保と、リポソームを投与するin vitroおよびin vivoの実験系に用いる事が可能な細胞株の選別、in vivoでのヒト腫瘍細胞株の抗原性の確認を行った。我々が入手したハイブリドーマの培養上清を用いて免疫細胞化学法を行ったところ、ポジティブコントロールの抗体を用いた場合と同等の反応性を確認できた。 リポソーム合成には1ロット当たり最低2mgの精製抗体が必要であるので、回転培養法を用いた大量培養を行った。ここで、採取された培養上清を精製して、上清中の牛血清アルブミンを取り除き、精製抗体を得た。この過程で採取した溶液をSDS-PAGE法で泳動したところ、不純物を含まない抗体が得られていることが確認できた。 また、マウス皮下腫瘍モデルの作製と腫瘍およびその転移の可能性がある肝臓、肺、脾臓、膵臓、胃の標本作製を行い、腫瘍は皮下の原発巣のみに存在することを確認した。 次に、リポソームの集積評価実験として、2種類の蛍光内包リポソームの評価を行った。In vitroではCy3内包蛍光リポソームを表面抗原の発現が確認されている細胞に添加し、暴露時間、投与濃度を変更しながら観察した。標識リポソームで一定の集積を確認できた。さらに、in vivoの実験においては上記マウスモデルへのCy5.5内包蛍光リポソームの投与実験を行った。投与直後、3、18、24、48、72時間後にIVISで非侵襲的にマウス体内での蛍光の集積を確認したところ、48時間後に腫瘍への最も強い集積を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リポソーム合成には大量の精製抗体が必要であるので、回転培養法を用いた大量培養を行ったが、思ったより長い時間を要した。また、マウス皮下腫瘍モデルの作製と腫瘍の存在の確認に、時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
集積効率が高められるかを検討するため、表面修飾を変更したリポソームを作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記によりリポソームの一定の集積は確認できたが、より集積効率が高められるかを検討するため、表面修飾を変更したリポソームを作成した。これを用いて平成25年度に集積効率の向上と治療効果の確認実験を行う予定である。 また、繰越金が生じたのは、胸部悪性腫瘍指向性リポソームをつくり替え、それに伴う動物実験を次年度に繰り越すことになったためである。
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