研究課題
平成25年度は、腫瘍モデルマウスを用いてIL-27で分化誘導したミエロイド系前駆細胞およびそこから分化誘導したミエロイド系細胞の抗腫瘍免疫誘導における役割と、ヒト臍帯血由来造血幹細胞や末梢血単核球などを用いて、ヒトでの同様な分化誘導の可能性についても検討を行った。(1) ミエロイド系前駆細胞およびそれから分化したDCの抗腫瘍効果:OVA抗原でパルスしたIL-27で分化誘導したDCで免疫後、OVAをメラノーマB16F10に遺伝子導入したB16F10-OVAを植えると腫瘍増殖が抑制された。次に、IL-27を遺伝子導入したB16F10を皮下に植えるとVectorのみを導入した腫瘍に比べ腫瘍増殖が抑制されるが、この時腫瘍内に浸潤したリンパ球は前者の方が多く、その中には骨髄由来抑制細胞と同様のGr-1+CD11b+マーカーを有している細胞が多かった。そこでさらに、この浸潤細胞を抗CD11b抗体で精製し、OVA特異的なOT-Iマウス由来の脾臓細胞の抗原特異的増殖への影響を調べると、Vectorを発現した腫瘍から精製したCD11b+細胞では、強く増殖抑制活性を示したが、IL-27発現腫瘍から精製した細胞は、抑制活性が殆ど見られなかった。(2) ヒトミエロイド系前駆細胞への分化・増殖誘導:まず、ヒト臍帯血由来CD34+造血幹細胞をマウスの場合と同様にIL-27+SCFで培養すると、gp130から増殖シグナルを入れることができるIL-6+IL-6Rα刺激より強く増殖を誘導した。増えた細胞をFACS解析すると、Lineage発現が陰性のままであったが、CD34やCD133などの幹細胞性を示すマーカーの発現は低下していた。次に、ヒト末梢血由来単核球細胞を同様にIL-27+SCFで培養すると、マウスの場合と同様に強く増えてくる細胞集団があり、この細胞は長期に増殖性を示していた。
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