研究課題/領域番号 |
24659596
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
長屋 昌樹 明治大学, 研究・知財戦略機構, 教授 (90329300)
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研究分担者 |
渡辺 將人 明治大学, 公私立大学の部局等, 講師 (00321688)
長嶋 比呂志 明治大学, 農学部, 教授 (50318664)
梅山 一大 明治大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70342699)
新井 良和 明治大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (90614769)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 膵島移植 / 膵ランゲルハンス島 / 免疫抑制剤 / 糖尿病 |
研究概要 |
インスリン依存状態の1型糖尿病患者に対する治療、膵ランゲルハンス島(以下、膵島)移植の問題点として「免疫抑制剤の膵島への影響」がある。平成24年度の達成目標は本問題点をin vitroにおいて客観的に評価できる生体類似三次元培養システムの構築であった。Mouse pancreatic and duodenal homeobox 1(pdx-1) 遺伝子promoter下にVenus蛍光発色遺伝子を連続させ、膵島を恒常的に緑色発光させる事を可能にしたトランスジェニック(tg) ブタ(Pdx-1- Venus tgブタ)より膵島分離を行った。分離した膵島を1つずつ96 well/plate上でThermoreversible Gelation Polymer (TGP)に包埋した後、温度変化によりTGPを三次元化させ培養を行った。in vitroにおいて免疫抑制剤にさらされた膵島の影響を緑色光にて確認、また免疫抑制剤の膵島への将来的影響を遺伝子変化で予測できるものとして、エピジェネティックな解析手法を用いて解析を行う事を目的とした。これまでに達成したポイントは下記の通りである。a) Pdx-1- Venus tgブタより膵島分離を行った。b) 三次元培養には申請者らが開発した抗癌剤感受性試験(TGP法)を改変して用いた。c) 免疫抑制剤はまずは、日本の臨床試験で使用されるタクロリムスを選択した。End pointは免疫抑制剤使用群の膵島のインシュリン分泌量がコントロールの膵島の50%に低下した時点として解析の準備をはじめた。d) エピジェネティックな遺伝子解析の準備は、膵島、あるいはFK506で影響が出る遺伝子を抽出し、後天的DNA修飾による遺伝発現制御を、DNA塩基のメチル化による遺伝子発現の変化、ヒストンの化学修飾による遺伝子変化から検証するシステムを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最大の理由は下記の二点である。 1) ブタの成長には時間がかかること。 2) ブタの公開されている遺伝子情報には限界があり、限られた情報からエピジェネティックな遺伝子解析の準備を行わねばならなかったこと。
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今後の研究の推進方策 |
上述の「進行がやや遅れている」にあげられた下記の問題点 1) ブタの成長には時間がかかること。2) ブタの公開されている遺伝子情報には限界があり、限られた情報からエピジェネティックな遺伝子解析の準備を行わねばならなかったこと。に対し、1) は作出を多数にした。2) ごく最近にさらなるブタの遺伝子情報が公開になった、ことから1)、2)の問題点は改善される事が予想されるため、これまでの進行速度を加速出来ると考えられる。
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次年度の研究費の使用計画 |
大きな費用として、1) Pdx-1- Venus tgブタの作出、2) 膵島分離にまつわる費用、3) タクロリムス以外の免疫抑制剤の購入、4) 平成25年度達成目標;ヒト膵島移植類似モデルによる免疫抑制剤の検証システムの構築、に使用する1型糖尿病モデルブタ(変異型ヒトHepatocyte Nuclear Factor 1(HNF-1)α tg ブタ)の作出に使用する予定である。 Pdx-1- Venus tgブタより分離した膵島を1型糖尿病モデルブタ(変異型HNF-1α tg ブタ) に移植する、すなわち、ヒト膵島移植とすべての工程において同様の手技を行うことが出来る“ヒト膵島移植類似モデル”、を使用して検討を行うため、1-4)が主に研究費が使われる項目である。 平成24年度の in vitroの検討で選択された免疫抑制剤に対し、ヒト膵島移植類似モデルで免疫抑制効果を検証、また副作用を観察し、これらの結果を外創し、ヒト膵島移植時に最適な免疫抑制剤を選定できるシステムの構築をする事を目的とする。 予想される結果と意義 日本で行われる臨床試験、「重症低血糖発作を伴うインスリン依存性糖尿病に対する心停止ドナーからの膵島移植」の免疫抑制剤の使用法に貴重な情報をもたらしうる。
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