研究課題
インスリン依存状態の1型糖尿病患者に対する治療、膵ランゲルハンス島移植(以下、膵島)の問題点には「膵島に対する免疫抑制剤の影響」がある。平成25年度の達成目標は 、平成24年度達成目標であった 「免疫抑制剤の膵ランゲルハンス島に及ぼす影響を解析する生体類似三次元培養システムの構築」を用い、実際に 1-a) 膵島が緑色発光するPdx-1-Venus tgブタから膵島を分離、1-b) 本システム内で培養下の膵島に対し免疫抑制剤を添加、1-c) 短時間の培養のみで長期の膵島の挙動を捕らえるためのエピジェネティックな遺伝子解析、さらにはヒト糖尿病類似モデルブタを用い、2-a) in vitroで選択された免疫抑制剤の免疫抑制効果の評価と副作用の観察 を行うものであった。1においては検証法の微調整に多大な労力と時間を投じなくてはならなかったが、システムの完成に行き着いた(特許申請済み)。in vitroにて免疫抑制剤添加下で培養されている膵島では、細胞の形態には異常を認めなくても、時間、濃度によりインシュリンのプロモーターがメチル化を受ける群が出始めることが判明した。この結果からヒトの膵島移植を想定した場合、ヒトの膵臓から分離された膵島の一部に対し本システムを用いることにより、個々の膵臓に適切な免疫抑制剤の選択が可能となる。in vivoでの検証にはヒト糖尿病類似モデル2頭への移植にとどまり詳細な検証までは到達できなかった。今後は「免疫抑制剤の膵ランゲルハンス島に及ぼす影響を解析する生体類似三次元培養システムの構築」を用いて検証した免疫抑制剤で生体に起こりうる検証を行うこととなる。
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J Reprod Dev.
巻: Epub ahead of print ページ: /
巻: 59 ページ: 599-603.