研究課題
生体を構成している全ての細胞は、幹細胞より分化したものであり特異的な環境にて複数の刺激を受けることにより、適切なタイミング・部位にて様々な機能を有する細胞へと分化する。この多分化能を利用し、胚性幹細胞(ES細胞)または間葉系幹細胞、造血系幹細胞などを生体へと移植する再生医療法の開発が試みられ、心筋組織再生においても根治治療として期待されている。特に、間葉系幹細胞は、骨髄や臍帯血などから容易に抽出可能であることに加えて、倫理的な課題を回避できるために、再生医療への応用が注目されている。我々はこれまでに、独自に開発した分化誘導方法にて間葉系幹細胞から自律拍動する心筋細胞を得ることに成功している。また、培養Dish表面の組成が心筋細胞への分化および拍動効率に著しい影響を与えることを予備的に見出した。つまり、培養Dish表面にコートされたマトリクスタンパク質(I型コラーゲン、フィブロネクチン、ゼラチン など)を用いることにより間葉系幹細胞から自律的に拍動する心筋細胞への分化が制御可能になることを示している。これらの挙動を詳細に検討することで、本プロジェクトでは、幹細胞の未分化維持、幹細胞からの心筋細胞分化、分化細胞における拍動関連タンパク質高発現、細胞の自己拍動の誘導、さらには自己拍動挙動の長期継続、など、それぞれの段階における最適なニッチェを解明することが出来た。
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