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2013 年度 実績報告書

固形がんの免疫逃避機構におけるオートファジーの意義

研究課題

研究課題/領域番号 24659599
研究機関東京大学

研究代表者

北山 丈二  東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (20251308)

キーワード低酸素 / 低栄養 / autophagy
研究概要

1.GFPを導入したマウス大腸癌細胞colon26細胞を作成し、同系のマウスへの足部皮下腫瘍作成モデルにて、所属リンパ節を採取し、その中の腫瘍細胞を同定するとともに、免疫細胞(リンパ球、抗原提示細胞)のphenotypeをFACSにて測定した。担癌マウスのリンパ節はコントロールマウスと比べ、CD11b+Gr1+のmyeloid derived suppressor cells (MDSC),およびCD19(+)B細胞の分画が59%~120%程度に有意に増加しており、逆にCD3(+)CD4(+)のhelper T 細胞の比率が約1/4に低下していた。しかし、CD4(+) CTLA-4(+)の制御性T細胞の比率には変化がなかった。
2.ヒト腹腔内より浮遊細胞を分離、培養すると間葉系幹細胞の性質を持つ細胞が樹立され、TGF-b刺激によってmyofibroblastの形質を発現するようになることを確認した。この細胞の増殖は、Hypoxia, Hypoglycemiaにて著明に抑制され、その原因にautophagyが関与している可能性が考えられた。
3.mTOR阻害剤Temsirolimusは三種の大腸癌細胞株CaR1, HT29, Colon26に対して有意な増殖抑制効果を有する事を確認した。このTemsirolimusにautophagy阻害剤クロロキンを併用すると、その抑制効果は有意に増強された。また、マウスの皮下腫瘍モデルにて、クロロキンの併用はTemsirolimusに効果を有意に増強することをIn Vivoにても確認した。さらに、バイオイメージング装置を用いた解析にて、腫瘍組織の微小血管密度がクロロキンの併用によって著しく低下していることが判明した。この事実から、クロロキンによるautophagy阻害が腫瘍内の血管新生阻害に関与する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Temsirolimus and chloroquine cooperatively exhibit a potent antitumor effect against colorectal cancer cells.2014

    • 著者名/発表者名
      Kaneko M
    • 雑誌名

      J Cancer Res Clin Oncol.

      巻: 140(5) ページ: 769-81

    • DOI

      10.1007/s00432-014-1628-0

  • [学会発表] Temsirolimusは複数のメカニズムによって大腸癌の進展を抑制する(Temsirolimus suppresses colorectal cancer growth by multiple mechanisms)2013

    • 著者名/発表者名
      野澤宏彰
    • 学会等名
      第72回日本癌学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20131003-20131005

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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