研究課題/領域番号 |
24659602
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
村瀬 勝俊 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10610438)
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研究分担者 |
木村 真樹 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (20422727)
関野 誠史郎 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (20610398)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | Poloxamer / ステントレス吻合 / 細径胆管吻合 |
研究概要 |
本研究は熱変成性生分解化合物であるpoloxamerを用いたステントレス胆管吻合の手技を確立することを目的としている。 平成24年度は熱変成性生分解化合物としてのpoloxamerの調整、確認を行った。 poloxamerは常温で粉末の状態であり、それを緩衝液に融解させ試験管内にて温度変化により可逆的にゲル状→液体に変化するかを観察した。18%wt/vol常温で融解させたときは、無色透明な液体であり、加温により40度程度でゲル化し、再び冷却すると液体に戻る可逆的変化を観察できた。しかし融解の際に融解しきれない粉末状のいわゆる「だま」が残存した。撹拌方法やして溶解液の加温(60度)などの工夫を要した。 次いでpoloxamerの安全性を検証するため、ラット胆管への注入を行った。ラットを麻酔下に開腹し、胆管を露出、サーフロにてカニュレーションを試みた。しかしラットの胆管径は1mmにも満たない個体もあり、サーフロでのカニュレーションも困難であり、poloxamer注入に難渋した。そのため、導入手技としてラット門脈(径約2-5mm)を用いたモデルの作成を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
熱変性生分解化合物としてのpoloxamerの調整に長時間を要したことが 実験が遅れている原因である。また、胆管が細いためpoloxamerの注入が困難であることも、実験が遅れている原因である。
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今後の研究の推進方策 |
細径胆管へのPoloxamer注入に関しては溶解時の「だま」が問題となる。引き続き攪拌・溶解方法を検討していく。 実際の吻合手技に関しては、胆管径が細く胆管へのカニュレーション、poloxamerの注入が困難であることから、現在、門脈を代用としてこれらの手技を確立する。その後、poloxamerを用いたステントレス門脈吻合を導入手技として、ステントレス胆管吻合手技の確立を目指す予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験用動物はWisterラット 1匹2,500円程度と考え、年間100匹程度は必要と考えた。飼育費などと併せて1年間で35万円を計上する。Poloxamerなどの試薬、検査費用として30万円を計上する。また、研究成果の発表のための旅費、投稿料などに25万円を計上する。
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