研究課題
発癌遺伝子の一種であるヒトc-Myc遺伝子の全長cDNAをRT-PCRによりクローニングし、CAG promoter制御下に発現するヒトc-MycとERの融合蛋白を発現するプラスミドコンストラクトを作成した。このプラスミドを用いて遺伝子改変マウスを作成することに成功した。作成した遺伝子改変マウスはback crossによりホモ個体・ヘテロ個体の同定を行った。作成されたマウス個体から肝細胞を含め種々の細胞を採取しin vitroにてタモキシフェン(4-OHT)を投与しRT-PCRによりc-Mycの遺伝子発現を確認すると共に、核移行を免疫染色により確認する予定である。作成した遺伝子改変マウス胎仔から我々がすでに確立したcell aggregate法により胎仔肝前駆細胞を採取すると共に、成体マウスから成熟肝細胞を採取した。遺伝子改変マウスの繁殖に難渋したため現時点では十分なサンプル数を獲得しえておらず、その増加に努めている。今後、分化段階の異なる肝細胞に対してin vitroにてタモキシフェン(4-OHT)を投与し増殖活性の変化を評価し、フローサイトメーターによりcell cycle analysisを行う予定である。また、免疫不全マウスの皮下に細胞移植し腫瘍形成能の評価する予定である。上記遺伝子改変マウスから採取する各分化段階の肝細胞(肝幹細胞・前駆細胞・成熟肝細胞)に対してタモキシフェン投与量・投与期間を調節することで前癌病変細胞から発癌過程の進んだ肝細胞癌まで種々の発癌段階の細胞を獲得する。獲得した各段階の発癌細胞に対し、microRNA(miRNA)を採取し、mRAP (miRNA amplificati on profiling)法などによりmiRNA発現プロファイリングを行う。以上の予定に関しては、遺伝子改変マウスの安定供給が確立する次年度の課題として実施予定である。
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)
Cell Transplant
巻: 21(11) ページ: 2351-62
DOI:10.3727/096368912X636957