研究課題/領域番号 |
24659607
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西村 潤一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20379209)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 大腸癌 / 遊離癌細胞 / FACS |
研究概要 |
大腸癌治療目的に当院に入院した症例を対象とした。他癌の併存や既往のある症例を除外した。入院時にインフォームドコンセントのもと承諾を得た症例を対象とした。血液10mlを採取し、Percollを用いた密度勾配遠心分離法により赤血球および死細胞を除去した。CD45-PE、EpCAM-FITCによる染色後FACSによりCD45陰性EpCAM陽性細胞を検出した。EpCAM陽性細胞は血液10ml中に200-1000個存在した。また、症例によって検出個数は異なっていた。しかし、健常人の血液サンプルからも少量ながらEpCAM陽性細胞を認めることが分かった。この健常症例のEpCAM陽性細胞の由来を現在確認中である。すなわちEpCAM陽性細胞のみでは癌細胞を精製できていない可能性があるため、現在、癌細胞を同定しうる新たなマーカーの検出を試みている。今後、症例数を増やすことで、臨床病理学的因子との関連を検討する予定である。また、新たなマーカーを用いた細胞培養技術の開発に取り組むことを計画している。これらの解析により得られた細胞集団のKRAS遺伝子変異などを解析することで大腸癌細胞を起源としている細胞を抽出する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遊離癌細胞の純化に現在努力を注いでいる。この純化する技術を開発できれば解析が進むものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
健常人の血液サンプルにもEpCAM陽性細胞が存在することは予想外であったが、KRAS遺伝子変異を解析することなどから遊離癌細胞を純化することを目標とする。また、純化とは別にEpCAM陽性細胞の培養を試みることで2面的に解析を進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
EpCAM陽性CD45陰性細胞の単離とKRAS遺伝子変異の解析 各種培養条件による遊離癌細胞の培養条件検討 培養細胞の化学療法に対する感受性試験 培養細胞のマウスへの移植による増殖実験
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