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2012 年度 実施状況報告書

セツキシマブ抵抗性難治性大腸癌に対するMicroRNA治療

研究課題

研究課題/領域番号 24659608
研究機関大阪大学

研究代表者

山本 浩文  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30322184)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードK-ras遺伝子変異 / 大腸癌 / microRNA / セツキシマブ / MAPK/ERK / AP-1
研究概要

①正常の胎児腎臓細胞株Human Embryonic Kidney 293と線維芽細胞MRC5に、変異型K-Ras遺伝子を導入した。miR arrayを用いてコントロールと比べて変異導入前・後で比較して、変化率の大きいmiRを求めた。K-ras下流の癌活性化シグナル経路としてMAPK/ERK/SRE, AP1の二つにまず着目し、HEK293にK-ras遺伝子を導入することで、SRE、AP-1のレポーターplasmid のluciferase活性が上昇することを確認した。miR arrayでK-ras導入後に発現減少したmiRを、同系にtransfectし、SRE, AP-1活性を有意に抑制するものを拾い上げた。これらの多くは、K-ras変異を有する大腸癌細胞株においても、SRE, AP1活性を抑制し、MAPK/ERK、MAPK/JNK活性亢進の是正が確認できた。
②In vitro実験で細胞増殖抑制効果、アポトーシス誘導について検討した。ふたつのmiR-X, miR-Y はK-ras変異を有する大腸癌細胞株に対して、増殖抑制効果を示し、Annexin Vによるアポトーシスassayで有意にアポトーシスを誘導することがわかった。
③K-ras変異株大腸癌細胞株HCT116をヌードマウス皮下に移植し、腫瘍容積が80mm3になってから尾静脈よりmiR-Yを静注した。その結果、コントロールmiRを静注した群と比べて有意に腫瘍抑制効果を認めた。
④ セツキシマブとの併用効果について現在in vitro, in vivoで検討を進めている。miR-X, miR-YはMAPK経路を抑制するが、EGFRの下流経路はK-ras以外のstreamもブロックすることから、両者の併用により、更に強い抗腫瘍効果を期待できる可能性が考えられるからである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

順調に治療効果をもつmicroRNAを見いだしている。 今後更に増やしてゆけると思われる。

今後の研究の推進方策

24年度は、K-ras遺伝子導入によって発現の低下したmiRNAを中心に探索した。25年度は発現の上昇したmiR に対するAnti-miRを用いて治療効果を検討してゆき、新しい治療的miRを発見する。

次年度の研究費の使用計画

治療候補microRNA 10個 in vitro用 12万
治療候補microRNA 2個 in vivo用  25万x2=50万
Negative control miR 20万  動物代  20万  レポーターアッセイ 5万  Plasmid調整 3万
合計110万
学会・旅費10万  人件費 10万  その他  抗がん剤調達費など 10万

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公開日: 2014-07-24  

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