研究課題
本研究は、肝内転移のために再発頻度の高い肝細胞癌を対象として、肝内転移の抑制を目的とする。従来の癌細胞の階層性の頂点に位置する癌幹細胞 (CSCs)ではなく、新たに癌の進展に伴って発生すると考えられる転移性のCSCsに対するマーカーの同定及びその機能解析を行う。高い転移・浸潤能を有する低分化型由来の細胞株からCSCs表現型である浮遊細胞塊 (Sphere) を独自に誘導し、これを解析する。我々の開発した特殊培地によるSphere誘導系において、低分化型及び未分化型肝細胞癌由来のSK-HEP-1及びHLEから、Sphere細胞 (SK-sphere及びHLE-sphere) を誘導することに成功し、これらSphere細胞は種々の抗癌剤に対して耐性を示すことを確認した。また、SK-sphereは親株であるSK-HEP-1と比較して、免疫不全マウスを用いた経門脈的肝転移モデルにおいて肝転移能が亢進していることも確認した。さらに、Sphere細胞においては、間葉系マーカーの発現亢進、及び、活性酸素除去系の亢進としてHIF1aplphaやCD44variantの発現亢進、これに伴う細胞内活性酸素生産の低下を確認した。新規のCSCマーカー及びCSC治療標的の探索として、DNA chip解析 (mRNA, microRNA)、iTRAQ標識2D LC-MS/MS解析 (protein) を行い、これらの統合解析によって候補分子を同定した。
すべて 2013 その他
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International Journal of Oncology
巻: 42 ページ: 1555-1559
10.3892/ijo.2013.1854.
International Journal of Oncology
巻: 42 ページ: 1159-1166
10.3892/ijo.2013.1811.