研究課題/領域番号 |
24659611
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
島田 光生 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10216070)
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研究分担者 |
宇都宮 徹 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30304801)
森根 裕二 徳島大学, 大学病院, 助教 (60398021)
居村 暁 徳島大学, 大学病院, 助教 (90380021)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 肝不全 / 幹細胞 / homing効果 / 遺伝子解析 |
研究概要 |
脂肪由来幹細胞の治療効果増強のためのホーミング機序解明と制御 本研究ではADRCの肝再生・傷害修復過程のhoming effectメカニズムの解明を目指し、ADSCによる細胞療法の効率化を実現する。1.脂肪由来幹細胞による肝保護効果:マウス肝細胞(1.0×105 cells / well)・ADRC(1.0×105 cells / well)のcell-cell contact(-)共培養では、肝細胞のviabilityは共培養群で良好。培養液中VEGF mRNA高値で抗VEGF抗体により肝細胞viabilityが低下したことから、ADRCの肝保護効果にはVEGFが強く関与している可能性が示唆。2.脂肪由来幹細胞の肝切除術後Homing効果:balb/c nu-nuマウスに70%Hx施行後、heparin併用下にADRC(1.0×105 cells)を経静脈的に投与(コントロール群:heparinのみ)し、肝傷害は有意に改善し(heparinのみ投与群 vs heparin+ADRC投与群:血清GPT 848±75 vs. 615±82)、肝再生率の上昇とともにADRCの再生肝への強い集積をIVIS®、Neo-Stem®により確認した。さらにHx群はSham群と比較して肝内SDF1発現(免疫染色)の増強を確認するとともに、CXCR4 mRNA発現はSham群、70%Hx群と比較して70%hx+ADRC群で有意に上昇していること確認した。これは肝内にhomingしたADRCが接着因子であるCXCR4を発現していること示唆していることが予想される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(理由)幹細胞の肝保護効果をin vitro、in vivoともに確認するとともに、傷害肝(本研究では肝切除モデル)へのhoming効果も確認できた。さらにin vitroにおけるtrophic effectについても確認し、contact(-)共培養におけるADRCの肝細胞保護効果がVEGFが深く関与しているとともに、in vivoにおいてもhoming効果を左右するSDF-1/CXCR4 axisの関与についても確認できた。今後はこれらの遺伝子発現を中心に制御の可能性を検討するとともに、他因子の関与についても包括的遺伝子解析を用いて探索する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策:制御因子増強・阻害によるhoming effectに最も効果的な遺伝子を包括的遺伝子解析により同定する。それらの発現についてvalidityをin vitro、in vivoにおいて行い、さらなる制御因子を同定する。またそれらの阻害剤・誘導剤によるhoming効果の影響についても解析を行う。これら一連の検討によりADSCのhoming effect制御機構の解明とともに治療効果向上のためのhoming増強が期待でき、最も有効な細胞移植医療の確立につながると思われる
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度への繰越額は物品購入に使用する予定である
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