研究課題
近年、胃、小腸、大腸といった消化管の陰窩に存在する消化管組織幹細胞にLgr5遺伝子がBmi1遺伝子などととともに発現し、同遺伝子を消化管幹細胞マーカーとして、lineage assayなどの解析を行った結果、消化管における修復・再生およびその維持機構が徐々に解明されている。また消化管幹細胞であるLgr5陽性幹細胞の維持機構にWntシグナルを中心としたシグナル伝達が関与することが示唆されている。さらに、Lgr5陽性消化管組織幹細胞においてAPC欠損が起こった場合、30週以内にmicroadenomaが発生することが報告されている。我々は現在以下の検討を行っている。①消化管におけるCancer stem cellの同定:現在carcinoma arising adenomaの症例を対象にLGR5の免疫染色をおこない、adenomaのパネート細胞化したニッチェにLRG5陽性細胞が多く存在することを同定している。また、消化管化学療法後の組織にLGR5陽性細胞が出現し、それが化学療法の耐性に関わる可能性を示唆している。②Genetic instabilityの検討:食道癌、胃癌、大腸癌における染色体不安定性と遺伝子不安定性をレーザースキャニングサイトメトリー(Laser Scanning Cytometry : LSC)によるDNA量測定とMicrosatellite Instabilityの検討にて評価した。③上皮間葉形質転換(epithelial-mesenchymal transition:EMT)との関係:EMT関連因子を胃癌で検討するために、切除症例による105例のコホートパネルを作成し、病理標本よりtissue arrayを作成した。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
Gastric Cancer
巻: 17 ページ: 255
10.1007/s10120-013-0279-1
Cancer Med
巻: 2 ページ: 447
10.1002/cam4.101
Cancer Sci
巻: 104 ページ: 1718
10.1111/cas.12286