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2012 年度 実施状況報告書

N型糖鎖を用いた臓器特異的癌腫瘍マーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24659618
研究機関鹿児島大学

研究代表者

夏越 祥次  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70237577)

研究分担者 又木 雄弘  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10444902)
前村 公成  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30398292)
上野 真一  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 特任教授 (40322317)
迫田 雅彦  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40418851)
上之園 芳一  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 特任准教授 (60398279)
橋口 照人  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70250917)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード消化器癌 / N型糖鎖 / バイオマーカー / 食道癌 / 糖鎖発現プロファイル / 網羅的解析
研究概要

膵癌は早期発見が困難であり、発見された時には進行癌で切除不能な症例が少なくない.また、放射線治療・化学療法など集学的治療の発達により徐々に治療成績の向上はみられるが,未だ最も悪性度の高い消化器癌である。膵臓癌の腫瘍マーカーは、現在CEA,CA19-9,Dupan-2,Span-1 などで、進行癌でも陽性率は高くない。糖鎖は,タンパク質の翻訳後修飾をなす重要な生体分子の一つで,発生・分化・増殖・がん化などに伴い糖鎖構造が変化し、すでにCA19-9やSLXがシリアルLeグループの糖鎖抗原として臨床応用されている。最近、肝癌でフコシル化AFPが悪性度を示すバイオマーカーとして注目されるようになった。
今回、膵臓癌患者を対象とし、血清中の糖鎖の網羅的解析を行い、膵臓癌に特異的な糖鎖マーカーを検索した。得られた糖鎖発現プロファイル解析で、診断の可能性を検討した。同意の得られた膵臓癌患者19例と健常者の11例。検体の血漿から、タンパク質と修飾N型糖鎖を遊離、ヒドラジド基を有するビーズで遊離N型糖鎖を標識した後に精製分離、質量分析を行った。得られたデータをSIMCA-P+を使用し多変量解析した。
得られた糖鎖の発現パターンをもとに、健常者群と膵臓癌患者群との間でOPLS法による層別化が有意に可能であった。また、健常者群と膵臓癌患者群間で、両者の層別化が可能な発現糖鎖が9つ抽出可能であった。以前に検討した6個の候補糖鎖のうち,今回の解析でも4個は有意差が認められ,再現性が確認された.
膵臓癌患者のおける血清中の糖鎖の網羅的解析を行い、6糖鎖を抽出し、そのうち4糖鎖は再現可能であった.膵臓癌に特異的な糖鎖マーカーとしてさらに症例を増やして検討する必要がある.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

各種臓器の癌で各々に特異的な糖鎖の抽出が可能であった.特に難治性癌である食道癌と膵臓癌ではこれまでの報告にない新規の糖鎖マーカーが抽出されている.健常者と食道癌患者の半数症例との間で判別モデルを構築し、残り半分の食道癌患者で判別可能かを検証したところ、モデルのAccuracyは、87.5%であった。膵臓癌でも症例蓄積中である.

今後の研究の推進方策

これまでに臓器特異的糖鎖が抽出可能であったため,多数例で再現性の検討を行い,腫瘍マーカーとして,特異度,正診率の検討が必要である.消化器健診受診者を対象に検診結果とその後の消化器精査の追跡調査を施行する.糖鎖の発現と検診で発見に至った消化器癌症例と比較し、糖鎖の発現により予想される振り分けと実際の消化器検診の結果との検証を行う.

次年度の研究費の使用計画

研究費の多くは,糖鎖を測定するために必要なBlotGlycoキット及び糖鎖ラベル化試薬に用いる.残りは国内外の学会発表の旅費として計上する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 食道癌診断に血清中N型糖鎖を利用した新規腫瘍マーカーとしての可能性2012

    • 著者名/発表者名
      内門泰斗,夏越祥次
    • 学会等名
      第66回日本食道学会学術集会
    • 発表場所
      軽井沢プリンスホテルウエスト
    • 年月日
      20120621-20120621

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公開日: 2014-07-24  

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