研究課題/領域番号 |
24659621
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研究機関 | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
椎葉 健一 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (90196345)
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研究分担者 |
島 礼 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 部長 (10196462)
田沼 延公 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 主任研究員 (40333645)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 低酸素 / ワールブルグ効果 / DNA修復 / 大腸がん |
研究概要 |
本課題では、大腸上皮の多段階発がんにおける、「低酸素・低栄養といった特有の微小環境における代謝特性」と、「ゲノム不安定性」との間の相互作用について検討することを目的に、研究をすすめた。その結果、平成24年度は、以下のような結果が得られている; 1)がんに特徴的な代謝異常である“ワールブルグ効果”との関連が深い、解糖系の律速酵素の一つ、ピルビン酸キナーゼM(PKM)のアイソザイム変換を不可能とした遺伝子改変マウス(PKM1ノックインマウス)由来の細胞を用い、その性状を解析した。PKM1ノックインによって、細胞の代謝ネットワークが広く影響を受けていることが確認された。と同時に、そのような代謝ネットワークの乱れが、遺伝子発現(トランスクリプトーム)の変化や、ゲノム安定性維持にも影響を与えていることを窺がわせる結果も得られた。 2)上記のPKM1ノックインマウスに加え、PKM2ノックインマウスの作製も行うこととした。ターゲティングベクターを作製し、ES細胞への導入と、相同組み換え体スクリーニングを行い、PKM2ノックインES細胞を複数樹立できた。これらESクローンをもとに、キメラマウス作製にも成功した。 3)DNA修復機構に関与する6型プロテインホスファターゼ(PPP6C)遺伝子ノックアウトマウスに関しては、薬剤投与によってPP6欠損を誘導できる細胞を作製したものの、誘導効率に問題があることが分かったため、現在、その改良に取り掛かっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
変異マウス同士の交配が十分に行えなかった点や、解析機器の導入遅れが生じた点があるものの、その他の点で当初の計画以上に進展した箇所もあり、区分「2」とする。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね当初計画に沿って研究を推進する。
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次年度の研究費の使用計画 |
納入が遅れていた解析装置の支払に充てられるほかは、ほぼ、当初の計画通りの予定である。
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