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2012 年度 実施状況報告書

腫瘍血管の分泌するエクソソームによる肺転移促進機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24659623
研究機関北海道大学

研究代表者

樋田 泰浩  北海道大学, 大学病院, 講師 (30399919)

研究分担者 加藤 達哉  北海道大学, 大学病院, 助教 (20624232)
樋田 京子  北海道大学, 歯学研究科(研究院), 特任准教授 (40399952)
加賀 基知三  北海道大学, 大学病院, 講師 (80224335)
松居 喜郎  北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90219379)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード腫瘍血管内皮細胞
研究概要

様々な血管内皮細胞からの培養上清の収集:コントロールマウス,高転移性ヒト悪性黒色腫細胞株A375SM (super metastatic clone)異種腫瘍移植マウス,低転移性ヒト悪性黒色腫細胞株A375 (parental clone)異種腫瘍移植マウス,ヒト口腔扁平上皮癌HSC-3異種腫瘍移植マウス,ヒト腎細胞癌OSRC異種腫瘍移植マウスからそれぞれ,正常皮膚血管内皮細胞と腫瘍血管内皮細胞を分離した.分離にはFITC付抗CD31抗体と抗FITC磁気ビーズを添加した腫瘍細胞懸濁液を磁気カラムに通して収集した.分離した血管内皮細胞は98%以上の純度を確認した後,培養を続けた.培養上清の収集の際には,培養血清を除いた無血清培地を用いた.回収した培養上清は混入細胞を除去して,-80℃で凍結保存した.
分離培養した血管内皮細胞の培養上清より超遠心でエクソソームを回収した.CD63 Tetrapaninで高純度のエクソソームが回収されたことを確認した.回収したエクソソームよりRNAを抽出し,マイクロRNAアレイを施行した.腫瘍血管内皮細胞で特異的に分泌するマイクロRNAを同定することが出来た.腫瘍血管内皮細胞におけるこのマイクロRNAの高発現をリアルタイムPCRで確認できた.
現在,同定したマイクロRNAを導入した血管内皮細胞の細胞学的な解析を施行中である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通りに,血管内皮細胞の分離培養,血管内皮細胞からの培養上清の収集,収集した血管内皮細胞からの培養上清中のエクソソームの回収,エクソソームからのマイクロRNAの抽出,マイクロRNAアレイによる腫瘍血管内皮細胞特異的なエクソソーム中のマイクロRNAの同定に成功した.同定したマイクロRNAの高発現をリアルタイムPCRで腫瘍血管内皮細胞を用いて確認することもできた.同定したマイクロRNAを導入した血管内皮細胞の細胞学的な解析を進めており,おおむね計画通りに実験を進めることができている.

今後の研究の推進方策

蛍光タンパク発現ベクターを導入した腫瘍細胞と腫瘍血管内皮細胞を用意する.前年度のマイクロRNAアレイで同定した転移能の高い腫瘍由来の血管内皮細胞に特異的なマイクロRNA発現系を構築する.転移能の高い腫瘍由来の血管内皮細胞と正常血管内皮細胞にマイクロRNAを導入する.これらのマイクロRNA導入血管内皮細胞と共移植した腫瘍細胞の血管内移行と肺転移を検討する.腫瘍細胞の血管内移行は担癌マウスの末梢血を採血してFACSで解析する.腫瘍細胞はA375低転移性悪性黒色腫細胞株に蛍光タンパク遺伝子を導入したものを用いる.肺転移はA375低転移性悪性黒色腫細胞株にルシフェラーゼ遺伝子を導入したものを用いる.担癌マウスにルシフェリン投与後にIVISで観察して肺転移巣の検出を行う.実験終了時には実体顕微鏡で観察した後にホルマリン固定を行い,パラフィン包埋切片を免疫染色して転移を評価する.

次年度の研究費の使用計画

蛍光タンパク発現ベクターを導入した腫瘍細胞と腫瘍血管内皮細胞をマウスに移植実験するために大量の細胞が必要であるが,この細胞の準備が昨年度から今年度に変更になり,研究費の昨年度未使用分が生じた.蛍光タンパク発現ベクターを導入した腫瘍細胞と腫瘍血管内皮細胞の培養,大量調整を行い,肺転移モデルマウスの飼育と実験検体の解析に研究費を使用する.

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公開日: 2014-07-24  

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