研究課題/領域番号 |
24659623
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
樋田 泰浩 北海道大学, 大学病院, 講師 (30399919)
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研究分担者 |
加藤 達哉 北海道大学, 大学病院, その他 (20624232)
樋田 京子 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 特任准教授 (40399952)
加賀 基知三 北海道大学, 大学病院, 講師 (80224335)
松居 喜郎 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90219379)
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キーワード | 血管新生 / マイクロRNA / 肺転移 |
研究概要 |
様々な血管内皮細胞からの培養上清の収集:コントロールマウス,高転移性ヒト悪性黒色腫細胞株A375SM (super metastatic clone)異種腫瘍移植マウス,低転移性ヒト悪性黒色腫細胞株A375 (parental clone)異種腫瘍移植マウス,ヒト口腔扁平上皮癌HSC-3異種腫瘍移植マウス,ヒト腎細胞癌OSRC異種腫瘍移植マウスからそれぞれ,正常皮膚血管内皮細胞と腫瘍血管内皮細胞を分離した.分離にはFITC付抗CD31抗体と抗FITC磁気ビーズを添加した腫瘍細胞懸濁液を磁気カラムに通して収集した.分離した血管内皮細胞は98%以上の純度を確認した後,培養を続けた.培養上清の収集の際には,培養血清を除いた無血清培地を用いた.回収した培養上清は混入細胞を除去して,-80℃で凍結保存した.分離培養した血管内皮細胞の培養上清より超遠心でエクソソームを回収した.CD63 Tetrapaninで高純度のエクソソームが回収されたことを確認した.回収したエクソソームよりRNAを抽出し,マイクロRNAアレイを施行した.腫瘍血管内皮細胞で特異的に分泌するマイクロRNA(miRNA-X)を同定することが出来た.腫瘍血管内皮細胞におけるmiRNA-Xの高発現をリアルタイムPCRで確認できた.miRNA-Xを正常血管内皮細胞に導入すると,増殖速度,遊走,アポートーシス抵抗性のいずれも亢進し,腫瘍血管内皮細胞と同等の性質を呈するようになった.蛍光遺伝子を導入した腫瘍血管内皮細胞を肺転移しない腫瘍細胞とマウスに共移植すると転移することが明らかになった.miRNA-Xが血管内皮細胞の性質を変えて腫瘍細胞の転移を促進している可能性が示唆された.
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