研究課題/領域番号 |
24659624
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野田 雅史 東北大学, 大学病院, 講師 (70400356)
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研究分担者 |
近藤 丘 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10195901)
佐渡 哲 東北大学, 大学病院, 助教 (20396485)
岡田 克典 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (90323104)
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キーワード | 肺移植 / 肺胞上皮 / 肺胞水分クリアランス / sodium channel |
研究概要 |
まず肺移植における肺胞上皮を介した水分輸送能の推移を観察するために、急性拒絶反応モデル; Brown Norway(BN)ラットをドナー、 Lewis(LEW)ラットをレシピエントとする主要組織適合性抗原完全不適合の組み合わせで、同所性左片肺移植を行うと移植後3日目頃からリンパ球浸潤が始まり、移植後1週間余りで急性拒絶反応が完成する。まず非拒絶反応モデルにおける肺移植が及ぼす(虚血再還流モデル)影響をみるためにBN→BN肺移植による肺胞上皮を介した水分輸送の影響を検討すると、移植後1日目、2日目、3日目に肺胞水分吸収率(%AFC)はBN→BN 1PODで7.61±11.60%、2POD 14.97±8.10%、3POD 26.40±13.84%と非拒絶反応モデルでは肺胞上皮を介した水分吸収量が経時的に増大した。一方で、拒絶反応モデルにおける肺移植が及ぼす影響をみるために、BN→LEW肺移植による肺胞上皮を介した水分輸送の影響を検討するとBN→LEW 1POD 26.60±12.27% 、BN→LEW 2POD 21.13±12.01%、BN→LEW 3POD 10.79±14.55%であった。これらの結果をもとにブタ肺移植モデルの作成同様の検討を行った。以上の結果より肺移植後の虚血再還流の際は肺胞上皮を介した水分輸送は更新するが、急性拒絶反の際には肺胞上皮を介した水分輸送能は低下し、この原因として肺胞2型上皮に局在するsodium channel機能低下の影響が示唆された。
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