研究課題/領域番号 |
24659639
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
岩崎 清隆 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (20339691)
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研究分担者 |
藤本 哲男 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50267473)
梅津 光生 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90132927)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 抗血栓性 / 抗凝固剤 / 活性化凝固時間 / 血小板活性 / 血漿タンパク吸着 |
研究概要 |
抗凝固剤の種類,抗凝固剤の投与量,血液接触材料の組み合わせの違いが抗血栓性に及ぼす影響を臨床で1人のヒトで調べることはできず,またin vitro実験系でも報告はほとんどない. 本研究では同一個体から採取した鮮血を用い,各々2種類の抗凝固剤,薬剤投与量,材料を組み合わせた計8条件下での抗血栓性を同時にin vitroで定量比較評価することを目的とした.研究は倫理委員会の承認を得た.1人の健常ボランティアから採取した血液に抗凝固剤のヘパリン,アルガトロバンを活性化凝固時間(ACT)が各々約200秒,500秒になるように予め定めた量を加え,抗凝固剤,投与量2種類ずつの組み合わせから4種の血液を用意した.採血後直ちに4種の血液を臨床使用されている内径12.7mmの2種類の体外循環用チューブ,polyvinyl chloride (PVC)チューブ(チューブA),poly(2-methoxyethyl acrylate)でコーティングしたPVCチューブ(チューブB)に入れ,空気を完全に排除した.チューブを183rpmの一定速度,37℃で10分間回転させた.計6人の血液を用い、全て清潔操作で行った.血液側の評価として回転前後の血液の凝固能,血小板活性,材料側の評価としてチューブ回転後にチューブ表面に吸着した血漿総タンパク量を定量,チューブ表面に吸着した血球成分を走査型電子顕微鏡で観察した.血小板活性を示すplatelet factor 4,beta-thromboglobulinの回転前後の変化は抗凝固剤,ACT,材料の組み合わせにより異なった.材料表面に吸着したタンパク量は,同じ抗凝固剤と同じACTでの比較ではチューブAがBより多かった. 以上より,本試験法で抗凝固剤,投与量,材料の異なる組み合わせが抗血栓性に及ぼす影響を,同一の血液を用い,同時にin vitroで定量比較評価できた.
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