研究課題/領域番号 |
24659642
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤村 幹 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (00361098)
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研究分担者 |
冨永 悌二 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00217548)
藤村 卓 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50396496)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | moyamoya disease / immunity / regulatory T cell / Foxp3 / etiology / autoimmune reponse |
研究概要 |
もやもや病は両側内頸動脈終末部の進行性狭窄と異常血管網発達を特徴とする原因不明の疾患である。病因の1つとして自己免疫の関与が推察されている。全身の自己免疫疾患のみならず脳虚血の病態への関与が近年報告されている制御型T 細胞(Regulatory T cell: Treg)に着目し、もやもや病の病態におけるTregを介した免疫応答・自己免疫の役割解明を目的に研究を行った。 マウスの片側頚部総頚動脈閉塞を結さつし、もやもや病に特徴的な頚動脈内膜肥厚・中膜菲薄化ならびに脳虚血を誘導した。虚血脳におけるTregの遊走についてFoxp3の免疫組織染色により検証した。本慢性脳虚血モデルにおいてはTregの遊走は血管周囲に限定され数もわずかであった。さらにもやもや病における疾患感受性遺伝子であるRNF213の遺伝子欠損マウスを用いて同モデル下における頚動脈結さつ部近傍の頚動脈内膜肥厚・中膜菲薄化の程度について野生型マウスと比較検討したところ、RNF213遺伝子欠損マウスにおいては中膜菲薄化が野生型と比較して顕著であった。RNF213遺伝子欠損マウスにおける虚血脳におけるTregの遊走についても野生型と比較検討したが両群ともTregの遊走はわずかのみみとめ差異を認めるには至らなかった。 もやもや病患者末梢血におけるFoxp3陽性TregについてFluorescence activated cell sorting (FACS)解析にて健常人と比較検討したところ、もやもや病患者においては健常人と比較してFoxp3陽性Tregは低値であることが確認された。 以上よりもやもや病の病態においてTregを介した免疫応答・自己免疫が何らかの役割を演じていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウス慢性脳虚血モデル、頚部頚動脈結さつモデルを用いてもやもや病を疑似した慢性脳虚血、頚動脈内膜肥厚・中膜菲薄化を予定通り誘導し、確立した条件のもとにFoxp3の免疫染色などの実験を進めることができた。特に頚部頚動脈結さつモデルについては研究発案時には未確立であったがもやもや病に類似した内膜肥厚などを再現性を持って誘導することが可能であった。またもやもや病患者末梢血を用いたFoxp3の評価についても、もやもや病患者においては健常人と比較してFoxp3陽性Tregは低値であることが確認された。 一方、マウス慢性脳虚血モデルにおいては予想に反して、虚血脳におけるTregの遊走が限定的であった点で評価が困難であった。さらに研究計画発案時には入手できていなかったもやもや病関連遺伝子RNF213遺伝子欠損マウスを導入したため、本マウスの遺伝子タイピング、形質評価、野生型マウスとの解剖学的差異の検証などの基礎データ集積に多くの時間を要し、Tregの発現自体の評価に至らなかった面も否定できない。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画発案時には入手できていなかったもやもや病関連遺伝子RNF213遺伝子欠損マウスを導入できたことから、本遺伝子変異マウスに対して虚血負荷を加えることで、より実際のもやもや病の病態に近いモデルを用いた研究デザインが可能となった。今後は野生型マウスとRNF213遺伝子欠損マウスの双方を用いて虚血脳へのFocp3遊走、結さつ部近傍の頚動脈内膜肥厚・中膜菲薄化部位におけるFoxp3発現動態についての比較検討を進める予定である。 患者末梢血を用いた実験に関しては、Foxp3の発現のみならず、Tregの機能解析を行う予定である。具体的にはもやもや病患者ならびに健常人の末梢血から磁気ビーズを用いてTregを分離し、抗CD3/抗CD28抗体で刺激した同種異個体(allo)のT細胞と共培養し、72時間後にトリチウムの取り込みを比較することにより、もやもや病患者のTregの持つ免疫抑制機能を健常人と比較検討する予定である。 さらに手術検体として採集可能な患者硬膜についても今後Foxp3の免疫組織染色を行うことを予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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