研究課題
ガドリニウム含有フラーレンを作成し、細胞投与、動物照射実験まで行い、現在その結果を公表するべく準備を行っている段階である。細胞実験では、その安全性の証明を行った。Particle Induced X-ray Emission (PIXE)を用いた接着細胞の凍結乾燥標本でのガドリニウム含有フラーレンを用い、細胞とガドリニウムの関係を画像化し、腫瘍間質に存在していることを示唆した。また動物実験で、腫瘍集積性、血液滞留性もホウ素中性子捕捉療法に応用可能であることが判明した。必要投与量と、毒性検査について今後検討の必要があると思われた。動物をもちいた腫瘍増殖抑制試験で、マウス皮下腫瘍(大腸癌細胞)モデルにおいて、腫瘍集積性、腫瘍増殖抑制が可能であることが判明した。現時点での問題点は、合成収率が低いこと、代謝排泄経路からの副作用について十分検討がなされていないことである。また、理論的に中性子照射で発生する放射線がガンマ線であることから、空間選択性は高くなく、ホウ素中性子捕捉療法との併用や、従来X線治療との併用についても検討を要する。
すべて 2014
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Applied Radiation and Isotopes
巻: 88 ページ: 114-117
10.1016/j.apradiso.2013.12.037