研究課題/領域番号 |
24659648
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
山本 清二 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究センター, 教授 (60144094)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 脳神経疾患 / トランスレーショナルリサ / 共焦点顕微鏡 / バイオイメージング |
研究概要 |
【研究全体の目的】現状では生体脳深部のin situ イメージングは未だ困難である。本申請では:1)脳の任意の部位の共焦点蛍光像を観察する方法を開発し動物での実用性を確認する;2)脳の任意の部位に蛍光蛋白を発現させる方法を開発し動物での実用性を確認することを目的とし、本研究期間終了時には、脳表と脳深部を問わず任意の場所に蛍光色素や蛍光蛋白により細胞や細胞内器官に蛍光ラベルし、共焦点蛍光像を観察することを可能にするための研究を行う。 【平成24年度の研究内容と結果】 1)観察法の開発:軟性ファイバーの先端にレンズを配置した新たなファイバー共焦点顕微鏡を開発するために、電興社(浜松市)と連携し、①自家蛍光の少ないイメージングファイバーの選定、②先端に装着する焦点距離60μm 以内のレンズの選定を行った。【結果】電興社(浜松市)と連携し、自家蛍光の少ないイメージングファイバーが選定でき、平成25年度に共焦点ユニットとレンズを介してカップルし、ファイバー共焦点顕微鏡として稼働できる見込みである。先端に装着する焦点距離60μm 以内のレンズの選定はまだ達成できておらず、25年度の課題として残している。 2)蛍光ラベル法の開発:ラット脳に電極を刺入するelectroporation 法により、plasmid 導入法を検討した。【結果】DsRed(赤色蛍光蛋白)をelectroporation 法により、大脳皮質細胞に導入し、共焦点蛍光イメージング法による大脳皮質の生体内イメージングによりtransfection が成功していることを確認した。細胞がfunctional かつviableかどうかの確認はまだ時間を必要とし平成25年度に向けて継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書に記載した「研究期間内に達成しようとする研究の目標」は:1)脳の任意の部位の共焦点蛍光像を観察する方法を開発し動物での実用性を確認する;2)脳の任意の部位に蛍光蛋白を発現させる方法を開発し動物での実用性を確認することであるが、そのうち1)に関しては、ファイバーの選定が終わり新たなシステムが構築できる見込みであること、2)に関しては、electroporation法により脳の任意の部位に蛍光蛋白を発現させることができた(ただし、今後これらの精査が必要であるが)から。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に確立できなかった手技については継続して研究開発を行い、軟性のファイバー共焦点顕微鏡による観察と、脳内へのelectroporation 法によるplasmid DNAのtransfection を可能にする。 1)ファイバー共焦点顕微鏡のfeasibility の検証:カルシウム指示性蛍光色素をpressurized bolus injection 法により投与しラット海馬のCA1 領域を染色する。開発したファイバー共焦点顕微鏡により、海馬CA1 領域の虚血・再灌流による細胞内カルシウムイオン濃度の検討を行い、平成24年度に開発したファイバー共焦点顕微鏡のfeasibility を検証する。 2)electroporation 法のfeasibility の検証:cameleon(Fluorescence Energy Transfer の原理によりカルシウムイオン濃度が上昇すると蛍光がシアンから黄緑色に変化するcalcium-indicating GFP variant)をラット海馬のCA1 領域にelectroporation 法により発現させ、ファイバー共焦点顕微鏡により海馬CA1 領域の虚血・再灌流による細胞内カルシウムイオン濃度の検討を行い、蛍光色素による結果と比較検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の直接経費900,000円は、ファイバー・光学部品・実験動物・試薬等の物品代金として800,000円、情報収集目的の学会出席経費(旅費)として100,000円を支出する予定である。
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