研究課題/領域番号 |
24659666
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡 敬之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60401064)
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研究分担者 |
村木 重之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40401070)
吉村 典子 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60240355)
阿久根 徹 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60282662)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | リハビリテーション / 医用情報工学 |
研究概要 |
1)簡易型光学センサーを用いた運動評価システムの開発:簡易光学センサー(Microsoft Kinect)はRGBカメラ、赤外線深度センサー、マルチアレイマイクロフォン、および専用ソフトウエアを動作させるプロセッサを内蔵しており、被験者の位置、動作、音声、顔を認識することが可能である。開発の第一段階ではソフトウエア内の人物モデル(骨格フレームワーク)に、骨格の位置情報をリアルタイムでフィードバックする人体モデルを作成した。サンプリングする骨格位置情報は、頭部に1カ所、体幹部に3カ所、四肢大関節各1カ所、計16カ所に設定した両脚・片脚基準点を利用する。運動評価は、一般住民データベース登録者の調査にあわせて、上肢機能(手の内外旋、目標物をつかむ巧緻性運動)、下肢機能(歩行、椅子立ち上がり、両脚および片脚立位)調査時にデータがサンプリング出来るよう、各動作時に人体モデルをリンクすることで経時的な基準点の位置情報を蓄積し、運動機能の定量値(関節の可動域、運動速度、トルク、体幹部および関節の動揺性)を出力できる仕様とした。 2) 一般住民データベースへの運動評価システムの適用と基準値の設定:データベース登録者は、板橋区在住の一般住民において、研究への同意が得られた1,350名である。本データベースは、住民票よりランダムに抽出した男女を対象に行われていた住民検診を母体とし運動機能評価を目的とした調査へと拡大させたものであり、地域代表性は確立されている。平成24年のベースライン調査では前述した内容の上肢・下肢機能の調査時に、簡易型光学センサーを用いた運動評価システムを適用し、データのサンプリングを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は動作時に骨格の位置情報をリアルタイムでフィードバックする人体モデルを作成し、「簡易型光学センサーを用いた運動評価システム」の開発を進め、ベータ版が亜完成した。また一般住民データベース登録者に運動評価システムの適用を開始しており、本研究は当初の計画どおり順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
蓄積した運動解析をもとに基準値を明らかにし、リハビリテーション評価にフィードバックするため、運動評価システム内に基準値を設定した人体モデルを作成する。運動器疾患にて上肢・下肢訓練を施行中のリハビリテーション外来通院者100名に運動評価システムを適用するとともに、この100名を4グループ(各25名)に分割、第1グループより3ヶ月間のシステムの自宅への貸し出し、運動データのサンプリングを行う。蓄積した経時的な運動評価データの解析により、システム有用性に関する検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
一般住民データベース内のデータを統合し、解析専用領域を確保する必要があり、データ正規化領域および、記憶領域として大容量かつ動作が安定したハードディスクが必要となる。 また、本研究の中核をなす「簡易型光学センサーを用いた運動評価システム」を搭載するハードウエアは、一般住民データベースでの運動機能サンプリング、リハビリテーション外来にて使用するとともに、リハビリテーション外来通院者の自宅へ貸し出しを行う予定であり、消耗品として計上している。
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