研究課題/領域番号 |
24659671
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石黒 直樹 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20212871)
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研究分担者 |
鬼頭 浩史 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40291174)
酒井 忠博 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (60378198)
金子 浩史 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座助教 (60566975)
三島 健一 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座助教 (40646519)
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キーワード | TRPV4 / SOX9 / II型コラーゲン / ATDC5 / プロテオグリカン |
研究概要 |
前年度の実験では当初はTRPV1~4を研究対象としたが、その後の検討によりTRPV4に絞り、TRPV4活性化の軟骨分化への影響を検討した。ATDC5細胞の単層静置培養系での軟骨への分化ではTRPV4mRNA発現がSOX9mRNA発現に先行して上昇することを確認した。SOX9下流にあるプロテオグリカン、II型コラーゲンの発現を蛋白レベルで確認し、軟骨分化作用との関わりを明確にした。次に培養下に機械刺激を負荷する実験系を用いてTRPV4活性化し、それによるSOX9遺伝子発現の上昇、更にII型コラーゲン、プロテオグリカン産生亢進を確認した。TRPV4をRNA干渉によって抑制するとSOX9、II型コラーゲン、アグリカンのmRNA発現量は低下し、関与を確認した。機械的刺激によるTRPV4活性化による軟骨分化促進効果を検討する目的で運動負荷量種々設定し最適な量を求めた。運動負荷が高度の場合、逆にTRPV4を介したSOX9発現が抑制されることが示された。機械的刺激とTRPV4-SOX9の関連を確認する目的で最適な機械的刺激下にカルシウムイオン除去、TRPV4特異的阻害薬添加の条件でSOX9遺伝子発現量、II型コラーゲン、プロテオグリカンmRNAと蛋白量を定量化した。機械的刺激はTRPV4を介して、軟骨細胞分化促進効果を発揮していることを示した。TRPV4は軟骨分化に重要な働きを持つと共に、最適化した機械的刺激はTRPV4活性化を介して軟骨細胞分化に働くと結論した。先の研究でATDC5の培養系に機械的刺激(伸長刺激)を加えると軟骨分化が促進される事を報告しているが、今回の結果を合わせると運動刺激による軟骨分化、形質維持にはTRPV4が深く関わり、これの活性化が軟骨形質発現・維持に必要で有る事を推論した。
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