次年度の研究費の使用計画 |
OA軟骨細胞の抽出したRNAを用いてライトサイクラーによる定量的RT-PCRを行い、OAの状態評価として軟骨基質であるtypeII collagen, aggrecanや、MMP, ADAMTS4などの基質分解酵素、IL-1βやTNF-αなどの炎症性サイトカインなどの遺伝子発現量の変化を調査するとともに、肥大化を含む内軟骨骨化シグナル、すなわちtype X collagen, MMP-13, Runx2, HIF-2a等に関しても同様に行う。再プログラミングの指標としてOct4, Sox2, Klf4, c-Mycの遺伝子発現の変化を、さらにmiR-200c, miR-302s, miR-369sの発現変化を調査する。軟骨組織破壊の程度とこれら遺伝子の発現パターンを評価して至適条件を見つけることが重要になる。 さらに抽出したRNAを用いmiRNA-arrayを用いてmiRNAの発現パターンを検出し、正常軟骨と、OA軟骨から得られたものの比較を行い、発現に変化が起きているmiRNAをピックアップする。候補となったmiRNAについて、PCR法にて発現量を比較検討する。また培養軟骨細胞をIL-1β等の炎症性サイトカインで刺激を行ったものに関してmiRNAの発現量の変化を調査し、炎症性メディエーターとの関連を明らかにする。正常軟骨とOA軟骨での反応の違いに注目して検討する。 これらの評価により、正常軟骨とOA軟骨での内軟骨骨化シグナルや炎症性メディエーターの変化、OAで再プログラミングが起きているのかどうか、またmiRNAとの関連を明らかにすることを目標とする。
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