研究課題
変形性関節症(OA)の病態において破壊されていく基質や細胞の中で、脱分化した軟骨細胞が再分化するためにReprogramming(再プログラミング)が起きる可能性について検討し、この”軟骨細胞の再プログラミング”の制御に関与するmicroRNA (miRNA)を同定する。さらにこれらのmiRNAのOAの病態における機能を明らかにし、OAに対する治療に結びつく可能性に関して検討した。①ヒト関節軟骨において、miR-125bがADAMTS-4を制御することを証明した。②単層培養したヒト関節軟骨細胞において、その分化の過程に関連した表面マーカー発現を同定し、脱分化した細胞を選り分けるための指標を定義する試みを行い、表面マーカー発現におけるCD54とCD44の比は、脱分化状態を表す指標の候補と成り得ると考えられた。③脱分化したOA軟骨細胞は軟骨分化誘導培地を用いてペレット培養を行うことで再分化可能であった。④OA軟骨細胞には骨髄由来の間葉系幹細胞(MSC)と同等の多分化能を認めた。OCT4の発現はMSC, 正常軟骨細胞、OA細胞では同等であった。NANOGについては、MSCに比べて正常軟骨細胞、OA軟骨細胞の方が数倍高い発現を示した。軟骨細胞に発現することが知られているmiRNAは脱分化により低値を示し、再分化することで発現が高くなる。⑤Verapamilは軟骨細胞の肥大分化を抑制し、ラット OAモデルではVerapamilの関節内投与がOA進行を抑制した。
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