研究概要 |
本研究は、「Statinを移植腱に局所徐放して骨新生と血管新生を促し、ACL再建術における早期に靭帯の再構築・骨-腱間結合治癒を実現すること」を目的としていた。 当初の予定通り、平成24年度には「in vitroでのsinvastatin至適濃度決定」「In vivo での膝前十字靭帯再建術」を行い、平成25年度には「組織学的・力学的評価ならびにCTによる骨孔評価」を行った。まず日本白色家兎の骨芽細胞・靭帯細胞・骨髄細胞を分離し、sinvastatin 0, 0.1, 1, 10, 100umol/l各濃度下におけるproliferation assayおよびmigration assayを行い、至適濃度決定を決定した。次に日本白色家兎を用いて膝前十字靭再建術を行い、手術後、骨-移植腱の固着状態を組織学的・力学的評価ならびにCTによる骨孔評価を行った。H&E染色およびMovat Pentachrome染色にて骨-移植腱間の内軟骨性骨化がStatin群で有意に早期にみられ、力学的評価としての引っ張り試験でもStatin群において有意に強い強度が確認され、micro CTにて評価においてもStatin群で骨孔の縮小が確認された。骨-移植腱間における骨新生・血管新生の亢進も確認され、VEGF block testにより血管新生が大きく関与していることが明らかとなった。この結果はTissue Engineeringに掲載された。
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