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2014 年度 実績報告書

小胞体ストレスセンサータンパク質による骨格系細胞分化制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24659678
研究機関広島大学

研究代表者

齋藤 敦  広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (30580394)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードBBF2H7 / 軟骨細胞 / Sox9 / 軟骨細胞分化
研究実績の概要

小胞体ストレストランスデューサーBBF2H7は小胞体膜上に局在する一回膜貫通型のタンパク質で、小胞体ストレスに応答して膜内切断を受け、DNA結合領域であるbZIPドメインを含むN末端側が核内へ移行して転写因子として機能する。これまでBBF2H7欠損マウスを用いた解析によって、BBF2H7が軟骨基質タンパク質の分泌を活性化することで軟骨組織形成に寄与することを明らかにしてきた。しかしながらその転写制御機構は不明であったため、その解明を試みた。BBF2H7プロモーター領域内の配列を調べることで、そのプロモーター領域内にSox9が結合し得るSox-binding siteが存在していることを見出した。Sox9は軟骨細胞の分化、成熟を制御するマスター転写因子であり主要な軟骨基質タンパク質である2型コラーゲンの転写を誘導する。ルシフェラーゼアッセイ、Chromatin immunoprecipitationアッセイ、ゲルシフトアッセイなど、一連のプロモーターアッセイによってSox9がBBF2H7プロモーター領域内のSox-binding siteに直接的に結合して、その転写を誘導していることを明らかにした。さらに初代培養軟骨細胞においてSox9を過剰発現させるとBBF2H7の転写は促進され、タンパク質へと翻訳された後に切断を受け、転写因子として活性化することが分かった。Sox9はBBF2H7の転写誘導を促進すると同時に2型コラーゲンをはじめとする軟骨基質タンパク質の発現レベルも上昇させる。Sox9による軟骨基質タンパク質の合成促進が小胞体の負荷を増大させ、生理的で緩やかな小胞体ストレスを発生させることが分かった。BBF2H7はこの生理的小胞体ストレスに応答して活性化して転写因子として活性化し、大量に合成された軟骨基質タンパク質をスムーズに細胞外へ分泌していることを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Promotion of cancer cell proliferation by cleaved and secreted luminal domains of ER stress transducer BBF2H7.2015

    • 著者名/発表者名
      Iwamoto H, Matsuhisa K, Saito A, Kanemoto S, Asada R, Hino K, Takai T, Cui M, Cui X, Kaneko M, Arihiro K, Sugiyama K, Kurisu K, Matsubara A, Imaizumi K.
    • 雑誌名

      Plos One

      巻: 10 ページ: 電子媒体

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0125982

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Master Regulator for Chondrogenesis, Sox9, Regulates Transcriptional Activation of the ER Stress Transducer BBF2H7/CREB3L2 in Chondrocytes.2014

    • 著者名/発表者名
      Hino K, Saito A, Kido M, Kanemoto S, Asada R, Takai T, Cui M, Cui X, Imaizumi K.
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 289 ページ: 13810-13820

    • DOI

      10.1074/jbc.M113.543322

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [備考] 広島大学大学院医歯薬保健学研究科分子細胞情報学

    • URL

      http://home.hiroshima-u.ac.jp/imaizumi/gyoseki.html

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公開日: 2016-06-01  

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