研究課題
神経障害性疼痛において極めて重要な役割を果たしているDRGニューロンにおける遺伝子発現の新規制御因子を解明することが本プロジェクトの目的であり、特に従来から報告されているNGF、GDNF以外でGDNFファミリーのArteminが神経障害性疼痛メカニズムとしてペインセンサー分子TRPV1/A1の重要な制御因子であることをin vivo実験系で証明することを目指している。これまでの本プロジェクトに基づく実験を施行した結果、以下の結果が得られた。1.ラット皮膚のRT-PCRにおいて、CFAによる炎症惹起後3時間から長期間(7日以上)にわたり、Artemin mRNAが大きく増加することが明らかとなった。2.末梢神経障害後においても、障害後の末梢部位でArtemin mRNAが有意に増加することがわかった。3.足底皮下へ繰り返しArteminを注射すると、DRGニューロンにおけるTRPV1/A1 mRNA発現が増加することをin situ ハイブリダイゼーション法によりわかった。4.DRGのin situ ハイブリダイゼーション法による解析で、TRPV1/A1はArteminの受容体であるGFRalpha3と高い共存率を示した。5.足底皮下でArteminを注射すると、機械的及び熱的痛覚過敏が生じた。6.DRGの培養系により、Artemin添加によりTRPV1/A1発現が有意に増加し、ニューロンのCa2+の増加が確認された。7.上記の発現変化が、MAPKの一つであるp38阻害剤により抑えられた。以上の結果をまとめて、論文作成中である。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 3件)
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