青斑核を活性化する薬剤とその機序‐下行性抑制系の強化による神経障害性疼痛の治療‐

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 24659691
• 研究種目: 挑戦的萌芽研究
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 麻酔・蘇生学
• 研究機関: 群馬大学
• 研究代表者: 小幡 英章 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20302482)
• 連携研究者: 三枝 里江 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (10400772)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2014-03-31
• キーワード: ノルアドレナリン / 脊髄 / α2受容体 / ラット

研究概要

プレガバリンやガバペンチン（電位依存性Caチャンネルα2δサブユニットリガンド）は、神経障害性疼痛の治療に第一選択であるが、過去の報告ではこれらの薬剤は下行性抑制系を活性化することが示唆されている。本研究ではプレガバリンの全身投与が、青斑核を活性化して脊髄でノルアドレナリンを増加させ、α2アドレナリン受容体を介して鎮痛作用を発揮するとの結果を得た。またプレガバリンは神経障害性疼痛ばかりでなく、急性痛をも抑制していた。青斑核を活性化する機序に関しては現在も研究を継続中である。

研究成果

• [雑誌論文] 神経障害性疼痛の疫学 (2014)
  • 著者名/発表者名: 小幡英章
  • 雑誌名: 臨床麻酔 ページ: 491-498
• [雑誌論文] Relief of hypersensitivity after nerve injury from systemic donepezil involves spinal cholinergic andγ-amino butyric acid (GABA) mechanisms (2013)
  • 著者名/発表者名: Kimura M, Hayashida K, Eisenach JC, Saito S, Obata H
  • 雑誌名: Anesthesiology 巻: 118 ページ: 173-180
  • DOI: 10.1097/ALN.0b013e318277a81c
  • 査読あり
• [雑誌論文] 整形外科関連疾患での慢性の痛みIII.部位別の治療方針. 5)慢性痛、術後慢性痛 (2013)
  • 著者名/発表者名: 荻野祐一, 小幡英章
  • 雑誌名: ペインクリニック 巻: 34 ページ: S205-212
• [雑誌論文] Long-term effect of epidural injection with slow-release lidocaine particles in a rat model of postoperative pain (2012)
  • 著者名/発表者名: Suto T, Obata H, Tobe M, Oku H, Yokoko H, Nakazato Y, Saito S
  • 雑誌名: Br J Anaesth 巻: 109 ページ: 957-967
  • DOI: 10.1093/bja/aes302
  • 査読あり
• [雑誌論文] Dexmedetomidine decreases hyperalgesia in neuropathic pain by increasing acetylcholine in the spinal cord (2012)
  • 著者名/発表者名: Kimura M, Saito S, Obata H
  • 雑誌名: Neurosci Lett 巻: 529 ページ: 70-74
  • DOI: 10.1016/j.neulet.2012.08.008
  • 査読あり
• [雑誌論文] Ondansetron reverses anti-hypersensitivity from clonidine in rats following peripheral nerve injury : Role ofγ-amino butyric acid (GABA) inα2-adrenoceptor and 5-HT3 serotonin receptor analgesia (2012)
  • 著者名/発表者名: Hayashida K, Kimura M, Yoshizumi M, Hobo S, Obata H, Eisenach JC
  • 雑誌名: Anesthesiology 巻: 117 ページ: 389-398
  • DOI: 10.1097/ALN.0b013e318260d381
  • 査読あり
• [雑誌論文] Antihypersensitivity effects of tramadol hydrochloride in a rat model of postoperative pain (2012)
  • 著者名/発表者名: Kimura M, Obata H, Saito S
  • 雑誌名: Aneath Analg 巻: 115 ページ: 443-449
  • DOI: 10.1213/ANE.0b013e31825683c3
  • 査読あり
• [雑誌論文] 痛みのバイオロジー下行性制御 : 抑制と促進 (2012)
  • 著者名/発表者名: 小幡英章
  • 雑誌名: Lisa 巻: 19 ページ: 484-488
• [雑誌論文] 術後鎮痛の薬理学的研究 (2012)
  • 著者名/発表者名: 木村雅文, 小幡英章
  • 雑誌名: 臨床麻酔 巻: 36 ページ: 862-868
• [雑誌論文] トラマドール (2011)
  • 著者名/発表者名: 木村雅文, 小幡英章
  • 雑誌名: 臨床麻酔 巻: 35 ページ: 1669-1674
• [雑誌論文] Peripheral nerve injury reduces analgesic effects of systemic morphine via spinal 5-hydroxytryptamine 3 receptors
  • 著者名/発表者名: Kimura M, Obata H, Saito S
  • 雑誌名: Anesthesiology 巻: (掲載決定)
  • 査読あり
• [学会発表] 健常人の内因性鎮痛系の機能測定 (2014)
  • 著者名/発表者名: 杉峯里美、小幡英章、高澤知規、斎藤繁
  • 学会等名: 日本麻酔科学会第61回大会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2014-05-16
• [学会発表] 神経障害性疼痛モデルラットにおける髄腔内ブプロピオンの鎮痛効果および脊髄後角でのノルアドレナリン・ドパミンの継時的推移 (2014)
  • 著者名/発表者名: 星野一、小幡英章、斎藤繁
  • 学会等名: 日本麻酔科学会第61回大会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2014-05-16
• [学会発表] 慢性疼痛患者の多面的評価と脳形態学的考察 (2014)
  • 著者名/発表者名: 杉峯里美、荻野祐一、川道拓東、小幡英章、斎藤繁
  • 学会等名: 日本麻酔科学会第61回大会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2014-05-16
• [学会発表] 神経障害性疼痛に対するモルヒネの鎮痛作用の減弱に脊髄の5-HT3受容体が関与している (2014)
  • 著者名/発表者名: 木村雅文、小幡英章、斎藤繁
  • 学会等名: 日本麻酔科学会第61回大会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2014-05-15
• [学会発表] 痛みの下行性制御 (2013)
  • 著者名/発表者名: 小幡英章
  • 学会等名: 第7回日本緩和医療薬学会年会ランチョンセミナー
  • 発表場所: さいたま市
  • 年月日: 2013-09-15
• [学会発表] 神経障害性疼痛の治療における抗うつ薬のエビデンス (2013)
  • 著者名/発表者名: 小幡英章
  • 学会等名: 日本ペインクリニック学会47回大会、ランチョンセミナー
  • 発表場所: さいたま市
  • 年月日: 2013-07-14
• [学会発表] 神経障害痛ラットモデルにおける髄腔内ブプロピオンの鎮痛効果 (2013)
  • 著者名/発表者名: 星野一、小幡英章、齋藤繁
  • 学会等名: 日本ペインクリニック学会第47回大会
  • 発表場所: さいたま市
  • 年月日: 2013-07-14
• [学会発表] プレオープニングシンポジウムザ討論I痛みの基礎どのくらい理解していますか?3)痛みの伝達と抑制-生理的な痛みと異常な痛み- (2013)
  • 著者名/発表者名: 小幡英章
  • 学会等名: 日本ペインクリニック学会47回大会
  • 発表場所: さいたま市
  • 年月日: 2013-07-13
• [学会発表] Peripheral nerve injury reduces antinociceptive effects of systemic morphine via spinal 5-HT3 receptors (2013)
  • 著者名/発表者名: Kimura M, Obata H, Saito S
  • 学会等名: The European Anesthesiology Congress Euroanesthesia 2013
  • 発表場所: Barcerona
  • 年月日: 2013-06-02
• [学会発表] 神経可塑性から痛みの治療へ-神経損傷後の慢性痛の機序- (2013)
  • 著者名/発表者名: 小幡英章
  • 学会等名: 日本麻酔科学会第60回学術集会
  • 発表場所: 札幌市
  • 年月日: 2013-05-24
• [学会発表] 慢性痛改善に有効な「慢性痛リハビリテーションプラン」 (2013)
  • 著者名/発表者名: 木村雅文、荻野祐一、中島邦枝、肥塚史郎、小幡英章、齋藤繁
  • 学会等名: 日本麻酔科学会第60回学術集会
  • 発表場所: 札幌市
  • 年月日: 2013-05-24
• [学会発表] Systemic donepezil reduces hypersensitivity after nerve injury by increasing acetylcholine concentration to induce-subsequent GABA release in the spinal cord (2012)
  • 著者名/発表者名: Obata H, Kimura M, Saito S
  • 学会等名: 14th world congress on pain
  • 発表場所: Milan
  • 年月日: 2012-08-31
• [学会発表] Experience and perception of older persons with chronic pain : a quantitative research (2012)
  • 著者名/発表者名: Takai Y, Yamamoto-Mitani N, Obata H, Kanda K, Saito S
  • 学会等名: 14th world congress on pain
  • 発表場所: Milan
  • 年月日: 2012-08-28
• [学会発表] 「慢性痛リハビリテーションプラン」を開催して (2012)
  • 著者名/発表者名: 木村雅文、戸部賢、荻野祐一、肥塚史郎、小幡英章、齋藤繁
  • 学会等名: 日本ペインクリニック学会第46回大会
  • 発表場所: 松江市
  • 年月日: 2012-07-06
• [学会発表] 神経障害性疼痛時のアセチルコリンを介した鎮痛作用 (2012)
  • 著者名/発表者名: 木村雅文、小幡英章、齋藤繁
  • 学会等名: 日本麻酔科学会第59回学術集会
  • 発表場所: 神戸市
  • 年月日: 2012-06-08
• [学会発表] 神経障害性疼痛時における抗うつ薬の鎮痛機序 (2012)
  • 著者名/発表者名: 中島邦枝、小幡英章、齋藤繁
  • 学会等名: 日本麻酔科学会第59回学術集会
  • 発表場所: 神戸市
  • 年月日: 2012-06-07
• [図書] 麻酔科医のための周術期疼痛管理 (2014)
  • 著者名/発表者名: 小幡英章、斎藤繁
  • 総ページ数: 14-21
  • 出版者: 中山書店
• [図書] 痛みの薬物療法 (2013)
  • 著者名/発表者名: 小幡英章
  • 総ページ数: 107-110
  • 出版者: 文光堂