研究課題
本研究は、全身麻酔、集中治療(ICU)管理における有用な呼気ガスバイオマーカーを特定し、そのガスセンサの開発と実用化を目的とする。本年は、まず周術期管理に有用な呼気ガスバイオマーカー、すなわち生体への侵襲により変化する呼気ガスバイオマーカーを特定し、侵襲に伴う濃度変化をガスクロマトグラフィーで確認し、その情報をもとに半導体ガスセンサを開発することであった。侵襲度の高い膵頭十二指腸切除術前後において、内科領域で注目されているVOCs (Volatile organic compounds)であるアセトン、メタン、イソプレン、アセトアルデヒドの測定を行った。しかし、手術侵襲によりVOCsは有意な変化を示さなかった。アセトン(ppm)メタン(ppm)イソプレン(ppm)アセトアルデヒド(ppm)手術前 2.7 8.2 0.2 0.04手術後 2.6 4.9 0.3 0.03
3: やや遅れている
膵頭十二指腸切除術という侵襲度の高い手術で今回測定した呼気ガスバイオマーカーに有意な変化を認めなかったことから、周術期管理に有用な呼気ガスバイオマーカーを特定できていない。そのため半導体ガスセンサの開発が遅れている。さらに侵襲度の高い手術(心臓手術、食道がん根治術など)において呼気ガスバイオマーカーに変化があるかどうか確認する必要がある。
膵頭十二指腸切除術という侵襲度の高い手術で今回測定した呼気ガスバイオマーカーに有意な変化を認めなかったことから、周術期管理に有用な呼気ガスバイオマーカーを特定できていない。さらに侵襲度の高い手術(心臓手術、食道がん根治術など)において呼気ガスバイオマーカーに変化があるかどうか確認し、周術期管理に有用な呼気ガスバイオマーカーを特定を急ぐ必要がある。
侵襲に伴って変化する呼気ガスバイオマーカーを特定するために、ガスクロマトグラフィーによる呼気ガス分析をより侵襲度の高い症例で行うので、次年度研究費は主にその測定費に充てることにする。
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