特定の麻酔薬等で誘発される悪性高熱症は、原因の半数以上が1型リアノジン受容体をコードするRYR1に認められる。本研究では、RYR1の全エクソンに異常を認めなかった症例について、エクソームシーケンスを行った。候補となりうるカルシウムシグナル関連遺伝子や既知の染色体上感受性領域および保因者のみで共通して認めた変異を照らし合わせた結果、既知の原因遺伝子であるCACNA1S上の新規変異を同定した。当該遺伝子はL型カルシウムチャネルのαサブユニットをコードし、リアノジン受容体と共役するものである。今後本変異が実際に悪性高熱症の原因となりうるかどうか細胞レベルでの検討が必要である。
|