研究課題/領域番号 |
24659706
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
中塚 秀輝 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70263580)
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研究分担者 |
前島 亨一郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20549852)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 癌性疼痛 / BDNF / NGF / 後根神経節 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
癌性疼痛は難治性疼痛のなかでもいまだ完全にはコントロールできていない。一方脳由来神経栄養因子(BDNF)は疼痛のニューロモジュレーターであるが、BDNFにはI~IXのエクソン・タイプが存在し、疼痛時にはあるタイプのエクソンが著しく増加することが知られている。本研究の目的は、癌性疼痛モデルを作成し、疼痛時に脊髄後根神経節(DRG)で発現するBDNFのエクソンプロファイルを明らかにすること、さらにBDNFの誘導に直接関与する癌細胞のNGFの発現量を調べ関連を明らかにすることである。 1. 癌性疼痛モデルはWistarラットの左脛骨骨髄腔内にラットの乳癌細胞MRMT-1を注入し作成した。経過はレントゲン写真で観察した。 2. 痛み観察は、von Frey test および左右足底加重差測定により1週目から疼痛行動が見られ、3週目には骨破壊が認められたので、観察期間は2週間までとした。 3. L3DRGのBDNF(mRNA)はエクソンI~IVおよびVIで有意に増加し、特にエクソンIの増加は著しかった。しかしL4、L5では変化がみられなかった。この結果は脛骨からの痛み入力はL3に限られていてL4、L5を経由していないと思われた。しかしvon Frey testの結果からは足底でも痛覚過敏が認められなんらかの機序があると思われた。 4. 腫瘍細胞を注入した骨髄ではNGFmRNAが著しく増加しており、腫瘍そのものがNGFを産生しており、NGF~BDNF cascadeが疼痛増強に関連していることが推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りおおむね順調であるが、当初予想の出来なかった結果も得られており、追試確認実験が必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
今回の結果から、癌性疼痛のある側のDRGではL3でBDNFの増加が認められ、それが疼痛行動の発現と時期的に一致することが判明した。今後は脊髄(spinal cord)でのBDNFおよびNGFの定量(PCR法、免疫組織学的方法)を行い、さらに詳しく解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記の「今後の研究の推進方策」に基づき、 (1) 次年度使用額は、実験補助員の3月分の派遣代の支払いと、3月に購入予定だった、動物の手術器具の購入にあてる。 (2) 平成25年度は、癌性疼痛モデルを作成するために、ラット約100匹を購入する。ラットから後根神経節(DRG)および脊髄を取り出し各々の組織での遺伝子発現を観察するためにSYBRgreenキット(タカラ製)の購入など、主に消耗品として使う。。 (3)疼痛に伴って増加する遺伝子をターゲットにし、合成DNAを購入し、これを脊髄くも膜下に投与して疼痛行動を観察する。
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