研究課題/領域番号 |
24659708
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
大山 力 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80282135)
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研究分担者 |
畠山 真吾 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (10400136)
坪井 滋 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (20526727)
盛 和行 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40266903)
米山 徹 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50587649)
古家 琢也 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60321965)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 前立腺癌 / バイオマーカー |
研究概要 |
本研究では、前立腺癌の生物学的悪性度の指標となる新規バイオマーカーとして、O-グリカン合成に関与するC2GnT(core2 N-acetylglucosaminyltransferase)を取り入れた前立腺癌悪性度診断ツールを開発する。私共の予備研究によってC2GnTの発現は癌の総合的悪性度を反映していることが判明している。前立腺癌の総合的悪性度を個別に判定し、治療介入が必要な「臨床的に意義のある」前立腺癌を鑑別し、「過剰治療」を回避することが最終目標である。 交付申請書に記載した当該年度の計画は①抗C2GnTモノクローナル抗体の作製、②抗C2GnTを用いた免疫組織染色、③血清、前立腺圧出液をサンプルとするC2GnTの定量アッセイ系の樹立であった。 ①に関しては、予定通り抗C2GnTモノクローナル抗体を樹立した。このモノクローナル抗体はWestern blot、パラフィン切片での免疫組織染色、ELISAで使用可能であることを確認した。当該モノクローナル抗体に関する特許を申請した。 ②に関しては、抗C2GnTモノクローナル抗体を使用して、前立腺全的標本(パラフィン切片)の免疫組織染色を行った。その結果、C2GnT陽性率はGleason score、pT、PSA再発率と強い関連性を示した。 ③に関しては、前立腺マッサージ後の尿を検体として、ドットブロット法でC2GnTの検出を試みた。その結果、前立腺癌におけるC2GnTの発現率は良性前立腺疾患に比して有意に高いことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した当該年度の計画は①抗C2GnTモノクローナル抗体の作製、②抗C2GnTを用いた免疫組織染色、③血清、前立腺圧出液をサンプルとするC2GnTの定量アッセイ系の樹立であった。 Western blot、免疫組織染色、ELISAで使用できる抗体を樹立し、前立腺癌における悪性度を反映するマーカーとしての有用性を確認したので、当該年度の目標を100%達成したと判断している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進方策として、以下の事項を計画している。 ①前立腺癌の悪性度マーカーとしてC2GnT発現の意義を明確にする。1)前立腺針生検および前立腺全摘除標本に対して抗C2GnTモノクローナル抗体による免疫組織染色を行い、術後のPSA再発との関係を明確にする。2)血清および前立腺圧出液をサンプルとしてC2GnTのアッセイ系を確立し、予後因子としての有用性を確認する。 ②PSA、臨床病期、Gleason score、C2GnTから構成される前立腺癌悪性度ノモグラムの作成。1)ノモグラムの検証 2)キャリブレーション ③海外共同研究施設からの臨床サンプルの提供を受け、人種間の差を考慮に入れた「前立腺癌悪性度診断ツール」を確立する。
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次年度の研究費の使用計画 |
「該当なし」
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