研究課題/領域番号 |
24659711
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
高山 達也 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90324350)
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研究分担者 |
大園 誠一郎 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00183228)
高岡 直央 浜松医科大学, 医学部, 研究員 (30467229)
寺谷 工 自治医科大学, 医学部, 講師 (70373404)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 不妊症 / 再生医学 |
研究実績の概要 |
高齢雄ラットを用いた生殖能賦活化に関する検討:生殖能力が皆無になった高齢LEW雄ラット(24週齢)に間葉系幹細胞を移植し、精子形成の再開の可能性について調査を行った。細胞移植前に数回LEW雌ラット(8~9週齢)と交配して妊娠に至らない事を確認した後、高齢LEW雄ラットに間葉系幹細胞を移植し、細胞移植1週間後にLEW雌ラットと交配して検討した。単回投与では雌ラットで妊娠は確認出来なかった。しかし、精巣を摘出して病理標本(HE染色)を作製した結果、細胞移植治療群には精子の形成が確認され、少なくとも生殖細胞の賦活化に移植細胞が寄与している事が確認された。 MSC分泌因子の投与による精巣賦活化効果に関する検討:温熱処理による不妊モデルラットの精巣内に、分子量カラムと培養液を用いて作製した濃縮MSC分泌因子液を3日間枚に3回の反復投与を行った。3回の投与が終了し、3週間後に8週齢雌ラットと交配した結果、投与群では雌ラット1匹から1~2匹の出産が確認された(5匹中4匹)。一方、非治療群においては1匹も新生児が得られなかった(3匹)。以上の結果より、MSCを直接投与する場合よりも効果は弱いが、少なくともMSC分泌因子に精巣賦活効果を有する物質が含まれている事が明らかとなった。 大動物(ブタ)1頭を用いた不妊モデルの検討:前臨床試験を行う為に、先端医療技術開発センター内にて家畜ブタ(30kg)の不妊モデル作製条件の検討を行った(n=1)。全身麻酔下にて下腹部を切開し、精巣を引き出し、42℃に保温した生理食塩水に30分間浸した。加温処理後に精巣を体内に戻し、60分後に精巣を摘出して、病理作製を行った。病理の結果、精巣周辺領域では精巣の細部構造の破綻が確認されたが、中心付近の領域は正常である事がHE染色で明らかとなった。大動物(ブタ)での雄性不妊化には加温時間を30分から延長する必要がある事が判明した。
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