研究課題
(研究の目的)腎細胞癌(RCC)は全腎悪性腫瘍の約85%を占め、経年的に増加傾向を示して(Rini et al. Lancet 2009)おり新規治療薬の開発が急務である。RCCは、その70-80%の症例でVHL遺伝子変異を認めることが知られている。我々は、pVHLで制御される新規分子としてclusterinを同定した。(実施方法)同分子はVHL遺伝子欠失に伴い発現が現弱する分子の一つとして報告を行ったが、実際のヒトRCC組織においても同様の所見が確認されていることより、腫瘍抑制機能を有していることが想定されている。新規治療標的分子の探索を目的にclusterinのPromoter 領域のクローニングを行い、同分子の発現亢進に伴い786-O (VHL-/-) 細胞が薬剤耐性を獲得するスクリーニング系を樹立した。(研究成果)Lenti-viral shRNA library をInfectionしBlasticidineにてPositive selectionを行い得られたクローンよりgermline DNAを回収、PCR法にてshRNA sequenceを確認しBLAST 解析を行ったところ、MAP2K1であることが明らかとなった。同分子はVHL-/- RCC細胞に対して特異的に細胞増殖抑制(Synthetic lethality)を示すことから腎細胞癌に対して有望な治療標的遺伝子となり得ることが明らかとなった。今後、更に解析を進める予定である。
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