本研究の目的は子宮の伸展能力を客観的に評価する技術の開発である。生殖医学や周産期医学領域において、子宮の弾性コンプライアンス定数は生殖臓器としての機能を評価する新しい指標となる。婦人科手術で摘出した子宮標本での局所測定を重ね、占拠性病変が伸展能に与える影響を定量的に解析し、暫定的に定数算出の理論式候補を導いた。子宮全体の機能を評価しうる圧トランスデューサー付きの測定装置を開発中である。子宮の生殖機能を、非侵襲的・定量的に把握することを可能にする展望である。妊娠および周産期予後が最終評価となるため、慎重な評価と対象の観察を継続している。臨床的意義を追求しつつ、幅広い技術活用を目指している。
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