研究課題/領域番号 |
24659724
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
鈴木 昭久 信州大学, 医学部, 助教 (10547095)
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研究分担者 |
塩沢 丹里 信州大学, 医学部, 教授 (20235493)
宮本 強 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (70418721)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | C2GnT1 / 子宮内膜癌 / 予後因子 / 糖転移酵素 / シアル化ルイスX抗原 |
研究概要 |
core 2 β1-6 N-acetylglucosaminyl transferase 1 (C2GnT1)は、O-glycan鎖のcore 2分枝形成にかかわる糖転移酵素である。Core 2分枝の先端にはシアル化ルイスX(sLex)抗原など、血管内皮接着や転移にかかわるとされる糖鎖が形成されることがあり、その高発現は腫瘍細胞の悪性度上昇に関連することが報告されている。そこで、本研究では、子宮内膜癌でのC2GnT1発現とその機能について検討する。まず、正常子宮内膜30例と子宮内膜増殖症15例、子宮内膜癌84例に対してC2GnT1免疫染色を行い、陽性細胞の割合をpositivity index (PI)であらわし、各種臨床病理学的因子との関連を検討した。正常子宮内膜(PI = 0.52 ± 1.24)に比較して、子宮内膜癌(PI: 8.31 ± 15.29)では有意に発現が亢進していた(P < 0.0005)。また癌においては、組織学的分化度が低い、進行期III・IV期、で高い傾向を認めたが、有意差はなかった。またC2GnT1は筋層浸潤部位で特に強く発現する傾向を認めた。またPI ≧ 10のC2GnT1高発現症例では、有意に生存期間が短縮していた(P < 0.0005)。さらに多変量解析でC2GnT1過剰発現は独立した予後因子であった(P = 0.017)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まだ報告できる程度ではないが、すでにC2GnT1発現ベクターを内膜癌細胞株に導入し、細胞機能解析を行っている。特に研究の遂行に支障はない。
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今後の研究の推進方策 |
C2GnT1発現ベクターをC2GnT1低発現内膜癌細胞株に導入し、細胞機能の変化を観察する。また、siRNA法でC2GnT1高発現内膜癌細胞株のC2GnT1発現を低下させ、細胞機能の変化を観察する。また、C2GnT1発現増強により増加する糖鎖構造をレクシンや抗体を用いて見出す。
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次年度の研究費の使用計画 |
細胞培養関連試薬、アッセイキットや試薬などの物品購入に用いる。
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