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2013 年度 実績報告書

子宮体癌幹細胞形質獲得機構の解明と幹細胞マーカーの同定

研究課題

研究課題/領域番号 24659736
研究機関九州大学

研究代表者

加藤 聖子  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10253527)

キーワード子宮体癌 / 癌幹細胞 / バイオマーカー
研究概要

我々は様々な組織で幹細胞として機能していると報告されているside population細胞(SP細胞)を用いて子宮体癌幹細胞の研究を行っている。
子宮体癌SP細胞は、未分化、自己複製能、少なくとも腫瘍細胞と間質細胞への2方向性分化能、造腫瘍能亢進を示し、癌幹細胞の特性を持つことを明らにした。更に、この子宮体癌SP細胞の形態を観察すると足突起を持ち、time-lapse videoscopeの解析で著明な運動能を持つこと示した。以上より、子宮体癌幹細胞には、自己複製能と間質への分化・運動能の亢進という2つの特性があり、前者は再発に、後者は転移に関与すると考えられる。
がん幹細胞は既存の抗がん剤に対して抵抗性を持つことが示され、新規薬剤の開発が必要であることが示唆される。標的分子を探索するため、マイクロアレイで解析したところ、SP細胞においてNSP細胞に比べて増殖因子やサイトカインを含む多くの遺伝子の発現が亢進しており、子宮体癌幹細胞の増殖や維持には複数の因子やシグナルが関与していることが示唆された。よって、がん幹細胞を標的にした治療のためには、複数のシグナルを阻害する必要があると考えられる。本研究ではマイクロアレイ解析にて、SP細胞に発現が亢進しているSPARC (secreted protein acidic and rich in cysteine)について解析した。SPARCはSP細胞やSP 細胞由来腫瘍の間質にも高発現していた。SPARC高発現細胞を樹立し解析したところ、低発現細胞に比較し、fibronectinの発現が増加、運動能が亢進し、間質の豊富な腫瘍を形成した。臨床検体では、低分化腺癌、漿液性腺癌、明細胞腺癌に強い発現が見られた。SPARCは幹細胞由来腫瘍や低分化腺癌のマーカーになることが示唆された。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 4件)

  • [雑誌論文] がん幹細胞を標的とする治療法の開発2013

    • 著者名/発表者名
      加藤聖子、楠木総司
    • 雑誌名

      産婦人科の実際

      巻: 62(3) ページ: 289-295

  • [雑誌論文] Association of MDM2 SNP309 and TP53 Arg72Pro polymorphisms with risk of endometrial cancer.2013

    • 著者名/発表者名
      Yoneda T, Kuboyama A, Kato K, Ohgami T, Okamoto K, Saito T, Wake N.
    • 雑誌名

      Oncol Rep.

      巻: 30 ページ: 25-34

    • DOI

      10.3892/or.2013.2432

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The inhibitory effect of salinomycin on the proliferation, migration and invasion of human endometrial cancer stem-like cells.2013

    • 著者名/発表者名
      Kusunoki S, Kato K, Tabu K, Inagaki T, Okabe H, Kaneda H, Suga S, Terao Y, Taga T, Takeda S.
    • 雑誌名

      Gynecol Oncol.

      巻: 129 ページ: 598-605

    • DOI

      10.1016/j.ygyno.2013.03.005

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ovarian transitional cell carcinoma represents a poorly differentiated form of high-gradeserous or endometrioid adenocarcinoma.2013

    • 著者名/発表者名
      Takeuchi T, Ohishi Y, Imamura H, Aman M, Shida K, Kobayashi H, Kato K, Oda Y
    • 雑誌名

      Am J Surg Pathol.

      巻: 37 ページ: 1091-1099

    • DOI

      10.1097/PAS.ob013e3182834d41

    • 査読あり
  • [学会発表] The inhibitory effect of salinomycin on the proliferation, migration and invasion of human endometrial cancer stem-like cells.2013

    • 著者名/発表者名
      Soshi Kusunoki
    • 学会等名
      第3回アジア国際婦人科腫瘍学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20131213-20131215
  • [学会発表] 子宮体癌幹細胞の生物学的特性の解析と新規治療法開発

    • 著者名/発表者名
      加藤聖子
    • 学会等名
      関東産科婦人科連合学会
    • 発表場所
      東京
    • 招待講演
  • [学会発表] Development of new cancer therapy by targeting endometrial cancer stem cells

    • 著者名/発表者名
      Kiyoko Kato
    • 学会等名
      日本癌学会
    • 発表場所
      横浜
    • 招待講演
  • [学会発表] 産婦人科における幹細胞研究

    • 著者名/発表者名
      加藤聖子
    • 学会等名
      近畿産婦人科学会
    • 発表場所
      大阪
    • 招待講演
  • [学会発表] 子宮内膜・体癌幹細胞の同定と生物学的特性も解析

    • 著者名/発表者名
      加藤聖子
    • 学会等名
      日本内分泌学会九州地方会
    • 発表場所
      沖縄
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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