研究概要 |
妊娠6週から11週の胎盤形成期における絨毛細胞のmiRNA発現プロファイルを作成することを目的に検討を行った。胎児心拍を認めて以降に妊娠中絶を行う妊娠6週と11週の女性から手術時に絨毛細胞を採取した。マイクロアレイでmiRNA発現を網羅的に解析した。マイクロアレイで妊娠6週に比べ11週で2倍以上発現が有意に増加した10種類のmiRNA、発現が2倍以下に有意に低下した9種類のmiRNAを抽出した。 興味深いことに、発現低下したmiRNAの55%は19q13.42に位置するmiRNA clusterに属するものであった。RT-PCRで、妊娠11週の絨毛でのmiR-520b, -520c, -520eの発現低下が、miR-30a-5p, -100-5p, -362-5pの発現上昇が確認された。結論として、妊娠6週に比べ11週の絨毛で発現変化するmiRNAを抽出した。胎盤形成期のこれらのmiRNAは、後の妊娠合併症の発症などに一定の役割を果たしている可能性がある。
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