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2012 年度 実施状況報告書

分裂期FISHによる新たな着床前診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24659739
研究機関日本医科大学

研究代表者

富山 僚子  日本医科大学, 医学部, その他 (40409214)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード均衡型転座 / 習慣流産 / 着床前診断
研究概要

現在、染色体転座に起因する習慣流産に対する着床前診断は、卵割期の胚から1-2割球を採取し、間期核FISHのシグナル数・パターンにより診断を行う方法が主である。この方法には高度な技術が要求され、かつ1-2個と少数の細胞であるため診断不可の標本となる場合がある。また、現行の診断法では不均衡型転座を判別するだけで、正常核型と均衡型転座の判別は出来ない。
本研究ではより効率の高い診断法の開発を目的とし、まずはサンプル数を獲得すべく、卵割期の胚でなく胚盤胞生検により複数の細胞を採取することとした。本年度はマウス胚を用いて実験を行ったが、増殖培養・細胞周期同調培養条件ともに更なる検討が必要である。また、胚盤胞生検は通常の顕微操作技術レベルで可能であるものの、生検後の胚の着床能については検討していないため、施行には慎重な扱いをしなければならないと考えられた。
産婦人科関連の日本ならびに国際主要学会、主要雑誌の報告によると、遺伝子異常による疾患の着床前診断方法が多く研究されているが、世界的に均衡型転座に起因する習慣流産に対しての報告は少なく、従来通りのFISHによる診断が行われている。これは不均衡型転座染色体を有する胚を移植に供しない、という治療であり、均衡型転座を有する胚を移植した場合には、児は非常に高確率で親と同様習慣流産となる。テロメアプローブを用いたFISH法による割球の診断では繊細な技術が必要とされ、さらに曖昧なシグナルを誤読する可能性もあることから、羊水検査での確定診断が必要である。現行の診断方法におけるこれらの問題点を解決する、新規の診断法が必要だと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

胚盤胞生検のためのマイクロマニピュレーションシステムの設備整備の遅れと、生検細胞の培養条件が定まらず、次のステップへの進行が遅れた。

今後の研究の推進方策

2年計画の進捗に遅れが生じているため、実験スケールを大きくし、引き続きマウス胚を用いた培養実験を行い、成果を確実なものにする。培養細胞を固定、whole chromosome painting probeを用いてFISH解析を行う。
また、同時にヒト胚細胞を用いた実験にも着手する。

次年度の研究費の使用計画

追加実験に必要なマウスを、当初の研究計画予算を超えて購入見込みである。今年度に購入を見送ったFISHプローブ等の試薬を次年度に新規購入、培養器具類を追加購入する。調査や研究成果発表のため、関連学会へ参加する。

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公開日: 2014-07-24  

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