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2012 年度 実施状況報告書

診断困難な異常妊娠検体に対する画期的な染色体診断アルゴリズムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24659742
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関独立行政法人国立成育医療研究センター

研究代表者

秦 健一郎  独立行政法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (60360335)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード一塩基多型 / 核型診断
研究概要

初年度は、これまで網羅的一塩基多型解析を行ったデータを利用して、混入時の実測データ予想を行った。具体的には、illumina社HumanCytoSNP-12を用い、母体血と臍帯血を解析して得られた網羅的一塩基多型情報を用いた。得られたシグナル値を、ソフトウェアKaryoStudioを用い、各プローブのベータ値を算出した。ベータ値は、各プローブのシグナル値を補正し、マイナーアレル頻度の算出に利用される数値である。これらの数値を、母親と子供で様々な割合で融合させることで、ゲノムが混在した状態をシミュレートした。その結果、大変興味深いことに、理論値とは異なる分布を示すことが判明した。傾向強度の強いプローブ周辺では、おそらくその残像により、わずかな差の検出が難しいため、二つのゲノムが混在した場合では、理論値のように二つのピークを作らず、なだらかなピークが連続して示された。これらの結果をもとに、実際に母と子のゲノムを混在させて計測すると、蛍光強度の強いプローブでは分離が悪い傾向が予測通り認められた。これらの傾向は、便宜上の呼称であるminor homo領域に多いが、実際に集団中でその多型がmajorかminorかを反映したものではないので、例えば分離が悪いプローブが「真の」major alleleに多く存在し、診断が困難になるといった影響を懸念する必要はないと考えられた。今後はこれらの実測データを用い、診断アルゴリズムの微調整を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初は、既存の表計算ソフト等を用いた理論値をもとに解析を行っていたが、大量データ(各サンプルが、27万カ所のプローブすべてに、連続変数であるシグナル値や信号の信頼度と言った複数の情報を持つ)の網羅的な解析が難しかった。昨年度より、バイオインフォマティクスを専門とする研究者との連携が可能となったため、理論値、実測値をもとにした理論値、実測値、の三者を比較し、より実践的なアルゴリズムへの修正の道筋が立った。

今後の研究の推進方策

今年度は、さらに細かく実際の検体を用いた解析を行い、実践的なアルゴリズムを開発する。具体的には、研究実績の概要にも記したように、理論値と実測値のずれが示されたので、この部分の効果的な補正式を導き出す。
また、モザイクやキメラの診断への応用を試みる。
当初の仮説と現時点で得られている結果に齟齬はなく、期間内に十分目的を達成できると考える。

次年度の研究費の使用計画

試薬代が966,820円で、およそ40検体分の解析に相当する。
今年度は海外学会での成果発表と情報収集を予定しており、旅費800,000円を計上した。
昨年度実績から、人件費400,000円を計上した。
その他、主に論文の校正と出版費用として200,000円を計上した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Development of a Method To Measure DNA Methylation Levels by Using Methyl CpG-Binding Protein and Luciferase-Fused Zinc Finger Protein.2012

    • 著者名/発表者名
      Hiraoka D, Yoshida W, Abe K, Wakeda H, Hata K, Ikebukuro K.
    • 雑誌名

      Anal Chem.

      巻: 84 ページ: 8259-8264

    • DOI

      10.1021

    • 査読あり
  • [学会発表] 次世代遺伝子解析技術を用いた生殖発生異常のゲノム研究2012

    • 著者名/発表者名
      秦健一郎
    • 学会等名
      日本受精着床学会学術講演会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20120831-20120831
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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