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2013 年度 実績報告書

術後変化に対応し得る人工耳小骨の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24659749
研究機関愛媛大学

研究代表者

山田 啓之  愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00403808)

キーワード人工耳小骨
研究概要

当該研究ではシリコンスポンジを用いて検討を行った。すべての測定で外耳道に80dBの音響負荷を行い、下記の手順でレーザードップラー振動測定装置を用いてアブミ骨の振動を測定した。①正常の耳小骨連鎖の状態で音響負荷時のアブミ骨振動を測定。②キヌタ骨を除去後、除去したキヌタ骨で再建し測定。③厚さ0.15mmのスライドガラスをツチ骨とキヌタ骨の間に1枚から3枚挿入し、各々の条件で振動を測定。④厚さ0.6、1、2mmのシリコンスポンジをキヌタ骨除去部位に挿入し各々の条件で測定を行った。⑤シリコンスポンジ(厚さは0.6㎜と1㎜を使用)とキヌタ骨の間に厚さ0.15mmのスライドガラスを1枚から3枚挿入し各々の条件で測定。検討方法は①で測定した正常耳小骨の振動をベースとした利得を比較した。キヌタ骨を使った再建では、利得は各周波数で約―1dB程度であったが、スライドガラスを1枚挿入すると各周波数で約8dB程度、スライドガラス2枚挿入すると約10dB、スライドガラス3枚挿入すると約15dB低下していた。一方シリコンスポンジを用いた再建ではその厚さに関係なく2kHz以上の高音域でアブミ骨振動は低下し、800Hz以下の低音域ではその厚さが増すにつれアブミ骨振動は低下した。低音域で最もアブミ骨が振動したのは0.6㎜の厚さのシリコンスポンジであった。続いて鼓膜陥凹を想定し、再建材料の厚さ0.6㎜のシリコンスポンジで再建した場合、スライドガラスを3枚挿入しても低音では最大で11.7dBしか低下しなかった。これまで伝音再建術には硬性材料が用いられてきたが、当該研究でも軟性材料が使用できる可能性が確認された。今後、軟性材料を伝音再建術に用いるためには細かな条件設定を決定する必要があり、術後変化に対応し得る人工耳小骨を開発するためにヒト側頭骨を用いたさらなる検討が望まれる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Role of nitric oxide in the onset of facial nerve palsy by HSV-1 infection2013

    • 著者名/発表者名
      Hato N, Kohno H, Yamada H, Takahashi H, Gyo K.
    • 雑誌名

      JAMA Otolaryngol Head Neck Surg

      巻: 139 ページ: 1339-1342

    • DOI

      10.1001/jamaoto.2013.5542

    • 査読あり
  • [雑誌論文] よくわかる鼓室形成術 手術手技とコツ 鼓索神経・顔面神経の扱い2013

    • 著者名/発表者名
      山田啓之、羽藤直人
    • 雑誌名

      JOHNS

      巻: 29 ページ: 163-167

  • [雑誌論文] Hunt症候群に対する徐放化栄養因子を用いた顔面神経減荷術の検討2013

    • 著者名/発表者名
      山田啓之、羽藤直人、暁 清文
    • 雑誌名

      Facial Nerve Research

      巻: 33 ページ: 116-117

    • 査読あり
  • [雑誌論文] FaCE Scale日本語版による顔面神経麻痺後遺症のQOL評価2013

    • 著者名/発表者名
      飴矢美里、羽藤直人、山田啓之、暁 清文
    • 雑誌名

      Facial Nerve Research

      巻: 33 ページ: 108-109

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Bell麻痺・Hunt症候群の新しい治療戦略 徐放化b-FGFを用いた顔面神経減荷手術2013

    • 著者名/発表者名
      羽藤直人、能田淳平、山田啓之、暁 清文
    • 雑誌名

      Facial Nerve Research

      巻: 33 ページ: 22-24

  • [学会発表] 術後変化に対応し得る人工耳小骨の開発に関する基礎的検討2014

    • 著者名/発表者名
      山田啓之、脇坂浩之、羽藤直人
    • 学会等名
      第115回日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20140514-20140517
  • [学会発表] ネットワーク型神経再建術を行なった術後性顔面神経麻痺の1例2014

    • 著者名/発表者名
      山田啓之、羽藤直人、暁 清文
    • 学会等名
      第24回日本頭頸部外科学会
    • 発表場所
      香川
    • 年月日
      20140130-20140131
  • [学会発表] Hunt症候群に対する徐放化栄養因子を用いた顔面神経減荷術の検討2013

    • 著者名/発表者名
      山田啓之、羽藤直人、暁 清文
    • 学会等名
      第36回日本顔面神経研究会
    • 発表場所
      沖縄
    • 年月日
      20130425-20130426

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公開日: 2015-05-28  

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