現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)iPS細胞の維持培養が確立できた:マウス線維芽細胞由来iPS細胞をフィーダー細胞上で培養し,十分量のストックを確保した。 (2)足場材料を開発した:アテロコラーゲンに凍結乾燥を施し,コラーゲンスポンジを作製した。 (3)分化誘導:まずiPS細胞とフィーダー細胞を分離し,得られたiPS細胞を低接着性の96穴プレートに1穴あたり2000細胞となるように播種し,数日間培養し胚様体を形成させた。さらに胚様体を接着性の培養皿へ移し,接着培養を行った。接着させた胚様体の培養培地にアクチビンやb-FGFなどの分化誘導因子を添加しiPS細胞の上皮への分化を促し,H-E染色にて上皮様細胞への分化を形態学的に確認した。さらに免疫染色ではβ-tuburinIV,Foxj1で線毛細胞への分化を確認した。
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今後の研究の推進方策 |
(1)in vitroにおいて線毛上皮を構成する基底細胞,線毛細胞の層状の再生を免疫組織化学的に確認する。 (2)気管上皮欠損部への移植による評価:全身麻酔下に免疫不全ラットの気管を露出させ,気管上皮部分欠損モデルを作製する。in vitroにおいて気管上皮様細胞へ一部分化誘導した胚様体を足場材料に入れ,気管欠損部に合わせて加工し,移植を行う。観察期間ののちに安楽死を施し,気管を摘出する。摘出標本より凍結切片及びパラフィン切片双方を作製し,必要に応じ免疫染色などを行う。評価項目としては, ・上皮形成の有無・形態(H-E染色) ・上皮細胞の形質(β-tubulinIV,TTF-Iなどで免疫染色) ・移植細胞の追跡,経時的変化
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次年度の研究費の使用計画 |
実験動物・薬品類・実験器具など:1,532,741円 成果発表・調査研究のための旅費:400,000円 成果発表のための投稿料,英文校閲料:400,000円
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