研究課題/領域番号 |
24659755
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
井上 馨 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (80133718)
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研究分担者 |
藤川 恵子 北海道大学, 保健科学研究院, 客員研究員 (70374246)
相原 一 北海道大学, その他の研究科, その他 (80222462)
朝岡 亮 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00362202)
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キーワード | 高眼圧遺伝子改変マウス |
研究概要 |
本年度は、先ずVavマウス遺伝子欠損マウスを用た眼圧コントロール作用点の同定のために必要な緑内障の病態の再現を行った。網膜神経節細胞が蛍光発色するCFPマウスとVav2,Vav2/3遺伝子欠損マウスを交配することによって、高眼圧を呈して網膜神経節細胞が細胞死を起こすマウスを作成した。これにより眼圧上昇の時間的、空間的な神経細胞への影響があきらかになり、Vav分子の相互作用分子みられるかも明らかになりVav分子欠失により動く分子を検索することが可能となる。 この新規作成マウスでは、Vav欠失マウスでの眼圧上昇は生後6週から始まり、少なくとも28週までは継続し、その間眼圧の日内変動は野生型マウスより大きかった。さらに眼圧上昇に影響を与える隅角の閉塞部位は部位による変異がみられ、隅角全体に均一でないことが明らかになった。また、網膜神経節細胞死滅への影響は生後15週で網膜の鼻側と下側に現れることが判明した。従って、Vav分子と相互作用をもつ分子を検出するためには検討に用いる組織の選別とその部位、さらには生後の週令の検討が求められる。 次の段階として正常マウス(C57BL/6J)とVav2/3KO、Vav2KOマウスからそれぞれ眼組織の隅角部分及び網膜を取り出し、RNAを抽出して逆転写酵素により組織特異的なDNAライブラリーを作成し、この二つのライブラリーを比較して動いている分子群を判定するのだが、生後15週令以前の正常マウスを用いること、Vavマウスの検討を網膜の部位を同定することを考慮に入れて行う必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
眼圧上昇に関係するVav分子相互作用分子の検索は対象とする週令と部位が絞り込まれてきたため、次の段階での成果が認められる可能性が高まった。
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今後の研究の推進方策 |
緑内障の病態を発現する対象部位と週令が限定されてきたため、その部位で動くVav相互作用分子の検出を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度使用を予定していった分担研究者の研究成果発表のための経費が、研究成果発表を延期したため次年度使用となった。 研究成果発表は次年度に行うため、前年度に残った次年度使用額を使用する予定である。
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