研究課題
角膜内皮が、炎症刺激に対していかなる分子応答を示すかを検討するため、炎症応答性レセプターを介した応答性を検討した。炎症応答機序は、感染性病原体に対する応答、さらに内因性の炎症性物質に対する応答に大別され, それぞれのリガンドは、Pathogen associated molecular pattern (PAMP)および、Damage associated molecular pattern (DAMP)に大別される。とくにPAMPに対する応答を検証した場合、角膜内皮はToll like receptor (TLR)のリガンドに対してIL-6やインターフェロン応答を誘導した。TLRの中では、角膜内皮は恒常的にTLR9を強く発現しており、各種細菌やウイルスに含まれる非メチル化DNAを認識する。また、DAMPにかかわる重要候補レセプターとしてRAGEがある。これまでRAGEはAdvanced glycosylation end productsのレセプターとしてしられてきたが、RAGEも内皮における微生物認識機構に寄与していることが判明した。角膜内皮感染における代表的な病原体である 単純ヘルペスウイルス(HSV)感染後の角膜内皮のトランスクリプトームを用いて主たるカスケードを解析した結果、インターフェロン応答、感染に対するpattern recognition receptor(PRR)応答が主体であった。とくに発現上位の遺伝子において Indoleamine 2,3-deoxygenase 1 (IDO1)が特徴的に誘導されており、以前認識された抗ウイルス作用というよりもむしろ、調節性T細胞の誘導機能を認め、その免疫調節機能は、感染内皮を破壊から保護する役割をもつことが示唆された。
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