研究課題/領域番号 |
24659766
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
水野 連太郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10516008)
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研究分担者 |
上田 真由美 同志社大学, 生命医科学部, 准教授 (60398386)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 生体4Dイメージング / 蛍光標識マウス / 角膜 |
研究概要 |
近年、生物の内部でおこっている事象を“生きたまま”で観察できる手法として生体4Dイメージングが着目されている。生体4Dイメージングでは、多光子励起顕微鏡を用いることにより、従来の固定・薄切した組織による静的な解析では十分検討が困難であった、生命現象の本質である細胞の動きを時間軸を加えて解析することが可能となった。我々は世界に先駆けてマウスを用いた眼表面の生体4Dイメージングの手法を確立している。当該年度では、眼表面の生体4Dイメージング手法ならびにLysM-eGFPマウス(好中球蛍光標識マウス)を用いて角膜縫合時における炎症細胞の生体内で動態解析を行った。LysM-eGFPマウスの角膜の中央全層に10-0ナイロン糸で約1mmの縫合を行い、角膜縫合後のLysM強陽性細胞(好中球)の生体内での動態を、4D生体イメージングを用いて3日目まで経時的に観察した結果、正常角膜では、好中球は角膜輪部の実質層に限局して存在していた。角膜縫合2時間後に好中球が角膜輪部血管から角膜と結膜両方に遊走することが確認された。遊走してきた好中球胞は角膜縫合6時間後に角膜中央の縫合糸に到達した。その後も縫合糸への好中球の浸潤は継続し、角膜縫合48時間後に数がピークとなった。それ以降も、角膜輪部から縫合糸への遊走ならびに浸潤は継続するが、好中球の数は減少していった。今回の研究より角膜縫合により好中球が角膜輪部血管から縫合糸へ遊走し浸潤する事が明らかとなった。LysM-eGFPマウスと角膜アルカリ外傷モデルを用いて角膜アルカリ外傷時における好中球の動態についても解析を開始している。4D生体イメージングを用いて生きたまま細胞の動態を解析するという新規の手法は、さまざまな角膜の病態の解明に有用である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
眼表面の生体4Dイメージング手法ならびにLysM-eGFPマウス(好中球蛍光標識マウス)を用いて角膜縫合時における炎症細胞の生体内で動態解析は終了している。経時的変化をみることにより、好中球浸潤がどこから来て、そのように始めるかが明らかとなっている。 また、角膜アルカリ外傷マウスモデルを用いての好中球の動態解析も進行中である。さらに、角膜アルカリ外傷マウスモデルを用いた解析では、CX3CR1-eGFP(単球蛍光標識マウス)を用いた解析も進行中であり、当初の目的どおりに研究は進行している。
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今後の研究の推進方策 |
眼表面の生体4Dイメージング手法ならびにLysM-eGFPマウスを用いた角膜縫合時における好中球の生体内で動態解析の終了に引き続いて、角膜アルカリ外傷マウスモデルを用いての好中球の動態解析、また、CX3CR1-eGFPマウスを用いた単球の動態解析、さらには、CD11c-yfpを用いた樹状細胞の動態解析を行うことにより、角膜創傷治癒における各種炎症細胞の動態を明らかにし、新規治療法の開発につなげる。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は最終年度であるので、研究に必要な物品費(研究消耗品)に加えて、成果発表のための学会のための旅費ならびに学会参加費にも使用する予定である。物品費の詳細については、マウスの飼育費用、生体イメージングに必要な試薬、免疫染色や定量PCRに必要な試薬や抗体を購入予定である。
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