研究課題
(1)抗原刺激によるIL-33分子の細胞内局在の変化を免疫電顕法で検証する。IL-33分子の結膜上皮細胞内の動態およびAKC/VKC患者結膜組織を用いたIL-33分子の局在を免疫電顕法による解析で検討中である。(2)自然免疫型マウスアレルギー性結膜炎モデルの作成。B6マウスおよびリンパ球を欠くRag-2KOマウスにパパインを吸収させたコンタクトレンズをマウス眼球に装着して瞼瞼縫合することにより、自然免疫型マウスアレルギー結膜炎モデルを作成し、IL-33分子の動態および好酸球浸潤の程度を比較検討した。このモデルではパパイン添加によって、有意に結膜への好酸球浸潤が増加し、またIL-33 kockout (KO)マウスではwild-typeと比較して、有意に好酸球の浸潤数が減少することを発見し、現在投稿中である。また、従来のragweed免疫+ragweed点眼チャレンジによる獲得免疫型のマウスアレルギー性結膜炎モデルも作成し、同様にIL-33 KOマウスで好酸球浸潤の現象を認めた。すなわちIL-33は自然免疫、獲得免疫の両面から眼表面のアレルギー性炎症の成立に関与していることが示唆された。(3)マウス結膜炎モデルにおけるNH細胞の同定。パパインマウス結膜炎モデルで、NH細胞(Liniage-, IL-33R+, IL-7R+, Thy-1+)の同定をFACS用いて施行した。NH細胞は涙腺内に多量に存在し、結膜炎の発症にともなって、結膜組織に移行してくる可能性を現在検討中である。
2: おおむね順調に進展している
本研究の最大の目的である眼表面でNH細胞の同定に成功した。また、自然免疫型結膜炎モデルの樹立にも成功しており、この点でも研究は順調に進行している。
25年度は予定通り、ヒトサンプルを用いたNH細胞の機能解析に取り組む予定であり、その準備も順調である。
細胞培養関連経費200千円、分子生物学関連試薬400千円、FACS関連経費200千円、マウス維持費用200千円、成果発表のための旅費400千円を予定している
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Invest Ophthalmol Vis Sci.
巻: 54 ページ: 2465-73
J Immunol.
巻: In press ページ: In press